【ポケモンウルトラサン・ウルトラムーン】新ポケモン決定力指数まとめ
今回は、新作発売後初記事という事で、新しく追加されたポケモン達の決定力指数をまとめる。
決定力指数とはポケモンの火力を数値化したものであり、
決定力指数=AorC×技威力×各種補正
このような式で算出できる。
ちなみにA156ミミッキュのA+2Zシャドークローの決定力指数が65520、C147カプ・コケコのエレキフィールドZ10万ボルトの決定力指数が57881である。
・A156ミミッキュZじゃれつく:44460
・A156 A+2ミミッキュZじゃれつく:88920
(参考)
・A156 フェアリーZじゃれつく:40950
・A156 A+2フェアリーZじゃれつく:81900
前作SMの段階で既にトップメタだったにもかかわらず、なぜか更なる強化を与えられたポケモン。
フェアリーZじゃれつくの威力は175なのに対して、ミミッキュZじゃれつくの威力は190なので、上に挙げたように既存のフェアリーZ型と比べ約1.1倍の火力が出せる。
これにより、ステロ+A +2ミミッキュZじゃれつくでHBカバルドンが乱数で落ちるようになる、と言った確定数のズレが発生してしまっている。
一体ゲームフリークは何を考えてこんなものを与えたんだろうか......
☆ルガルガン(黄昏の姿)
・A169 ストーンエッジ:25350
・A169 アクセルロック(硬い爪込み):13182
・A169 噛み砕く(硬い爪込み):17576
・A169 炎の牙(硬い爪込み):14280
・A169 ラジアルエッジストーム:48165
新しく追加されたルガルガンの新フォルム。ラジアルエッジストームの威力は190なので、剣舞を覚える事を踏まえるとなかなかの火力が出る。
ただ、メインウェポンと硬い爪がいまいち噛み合っておらず、適用技も素の威力が低いため火力指数が伸びない。
総じて惜しいところで噛み合っていない印象。
(追記)
ちなみにA169硬い爪アクセルロックのダメージ計算例を挙げると以下のようになる。
vs H171-B150メガボーマンダ:66~80(確3)
vs H125-B200 パルシェン:50~62(確3)
vs H153-B131 メガリザードンX:78~92
(ASなら確2、HSだとギリギリ2耐えされる)
vs H185-B113 メガリザードンY:180~216
(急所込みで76.56%の乱数、ストッパーとしては十分な火力か)
vs H161-B85 ウルガモス:232~280(余裕で落とせる)
vs H129-B73 ズガドーン:134~162(即死)
これを見る限り、岩弱点ポケモンへのストッパーとしては悪くないのかもしれない。
・C167 ブレイジングソウルビート:46342
・C167 C+1ブレイジングソウルビート:69513
(参考)
・C167 C+1 スケイルノイズ:41332
・C167 C+1 気合玉:45090
専用Z技が追加されたので掲載。ブレイジングソウルビートのCアップがダメージ計算前に適用されるのか、ダメージ計算後に適用されるのか分からなかったので、両方のパターンを載せることにした。お分かりの方がいらっしゃればご指摘頂けるとありがたい。
さて、このポケモン、Z技の火力は高く、かつ全能力アップも破格であるものの、それでも環境で活躍するビジョンが見えないのが悲しい。
ミミッキュを筆頭にフェアリーに透かされる点もそうだが、何よりそもそものCが低すぎて、1段階上がった程度ではそこまで火力が出ない点が残念なところ。
せめて専用Z技が格闘タイプだったらまだ可能性があったのだろうか。
☆ズガドーン
・C203 ビックリヘッド:45675
・C203 オーバーヒート:39585
・C203 大文字:33495
・C203 シャドーボール:24360
・C203 Zビックリヘッド(威力200):60900
・C203 Zシャドーボール(威力160):48720
USのみに出現する新UB。上の通り、Z技の威力はなかなか高い。うまくビーストブーストでCを上げられれば全抜きも狙えそう。
ただし耐久力が低すぎて行動保証が掛けにくいので、「そもそもどうやって通すのか」という点を考えて使わないと腐りそう。
☆ツンデツンデ
・A201 ジャイロボール(威力150想定):45225
・A201 ロックブラスト(1発あたり):7537
・A201 ストーンエッジ:30150
・A201 地震:20100
こちらはズガドーンと逆に、極端に遅いUB。鋼岩というタイプ上、受けとしては使い物にならないが、アタッカーとしてなら耐久力とトリルが噛み合い動きやすそう。
自力でトリルを起動出来る点も非常に優秀。
ちなみにH252 A252 D4振りと仮定した場合、耐久力指数はそれぞれ
物理耐久力指数:88200
特殊耐久力指数:46581
となる。
☆アーゴヨン
・C179 流星群:34905
・C179 大文字:19690
・C179 ヘドロウェーブ:25507
・C179 めざめるパワー:10740
・C179 C+2 流星群:69810
・C179 C+2 大文字:39380
・C179 C+2 ヘドロウェーブ:51014
・C179 C+2 めざめるパワー:21480
・C179 C+2 Z流星群:104715
C127 S121というAT向きの種族値と毒龍炎という優れた攻撃範囲を持ち、アタッカーとしての活躍が期待できるポケモン。
悪巧みも覚えるので、積みエースとして活躍しそう。C+2Z流星群の火力は驚異の指数10万超え、ステロ+悪巧みZ流星群でHDポリ2も88.28%という高確率で突破出来る。
ただ個人的にゲッコウガを抜けないのが非常に惜しい所。耐久力は低いので、せっかく積んでもゲッコウガに上から冷凍ビームで縛られるのは惜しい。
ちなみにめざめるパワーのタイプは地面を想定している。これを持たせることで、悪巧みめざ地でHDヒードランも突破出来るようになる。
随時加筆予定。
USMにおける目標
今回はUSM発売直前という事で、USMにおける目標を書き留める。
目標(1)環境に左右されない並びを作る
ここでいう「環境に左右されない並び」とは、「いつの環境で使っても強い」と言える並びのこと。
7世代に入ってから、私は以下の並びを好んで使っていた。
この並び自体は気に入っていたものの、ギルガルドの増加で解散を余儀なくされてしまい、「環境に左右されない並び」では無いことがはっきりしてしまった。
USMでは「構築に採用したAというポケモンが環境に刺さっているから強い」ではなく、「いつの環境で使っても強い」と言えるような環境に左右されない並びを見つけたい。
イメージしているのは6世代のガルクレセみたいな感じ。
目標(2)論理的に構築を組む
目標(1)と同じく、構築に関連する話。
先ほどリンクを貼った並びは気に入っていたものの、組み方は1体ずつ順番に穴を埋めただけの並びであり、しかもスカーフウツロイドも実戦の中から出て来たアイデアであった。
USMでは可能な限り実戦ではなく、机上だけで詰めて行けるようになりたい(これは今後忙しくなる事が予想されるので、そのような状況にも対応出来るようにしておきたい、という意図もある)。
目標(3)シミュレーションして構築を組む
ここでいうシミュレーションとは、「ABCという並びに対してDEFと選出し甲乙丙と動いて勝つ」という勝ちへのルートを構築段階で描く事である。
サンムーンにおける反省点の一つとして、構築段階で勝ちへのルートをほとんどシミュレーション出来ておらず、結果その場その場のアドリブでなんとかせざるを得ない試合が多かった点がある。
特にS6ではこの傾向が酷く、バシャレボルトという前のめりな並びでありながらシミュレーションが不足しており、アドリブで動く場面が増えてしまった。
「臨機応変に動く」と言えば聞こえはいいが、結果を見る限り行き当たりばったりも良いところであり、もっと事前にシミュレーションしておけば良かったと反省している。
今後は可能な限り多くの相手にシミュレーションをしておき、極めて困難ではあるが、「対戦を作業化する」という所を最終目標としたい。
目標(4)大会への参加回数を増やす
これもサンムーンにおける反省点から出てきた目標。
サンムーン時代は流石に大会への参加回数が少なすぎた。
1日頑張れば大会における成績が決まる上、構築の試運転にもなるのでもっと出た方が良かった。後悔している。
構築案があり、なおかつ時間が許すならば大会にも参加していきたい。記事のネタにもなるし。
目標(5)意見を臆せず発表する
サンムーンになってから、炎上や批判を恐れるあまり、デリケートな話題に関する意見発表を意図的に避けていた節がある。
USM以降は、発表したい意見を積極的に発言していきたい。
ただしこれは意図的に炎上させるということではない。良識を持って記事を書き、2割を取って8割を敵に回すような表現は今後も避けたい。
以上を今後の目標とする。
USMでもよろしくお願いします。
【SM・S6使用構築】バシャカバグロス
〔前書き〕
皆さまS6お疲れ様でした。
今回はS6で使っていた構築を紹介します。
〔個別紹介〕
以下の並びで潜っていました。
特性:クリアボディ→硬い爪
性格:陽気
実数値:167-189-171-x-131-173
努力値:H92 A188 B4 D4 S220
調整:
・S:準速メガマンダ抜き
・A:H155-B90ボルトを冷凍パンチで確定
よくある耐久振りグロス。今回はこのポケモンを軸に組みました。このポケモンはテテフに遂行できるアタッカーであり、マンダ軸に圧力を掛ける駒でもあり、なおかつ霊獣ボルトストッパーでもあります。
配分は技構成を踏まえ、最速の意味が薄い事からSを落として耐久に割いたもの。ミリ耐えして勝った試合もあるのでこれで良かったと思います。
技は対面性能を確保するアイへバレットと、マンダやボルトに遂行する冷凍パンチまでは確定とし、最後の枠に重いリザYを出落ちさせてアドを取る岩雪崩を採用しました。
リザYやガモスと対面した場合ほぼ確実に通っていたので雪崩採用も間違いではなかったと思いますが、地震が欲しい試合も多々あったので要検討です。
このポケモンは選出さえ間違えなければ非常に殴り勝ちやすく扱いやすいポケモンでしたが、苦手な相手も多い上に厄介なポケモンばかりであったため、使う上でプレイングの負担が大きかった印象でした。
特性:砂起こし
性格:腕白
実数値:215-132-187-x-93-67
努力値:H252 B252 D4
技:地震/氷の牙/毒毒/怠ける
普通のHBカバ。グロスミラーやバシャ、マンダ、クチート、リザXといったアタッカーを止める枠です。
牙はマンダランドグライに抵抗するため、毒はクレセやポリ2を崩すために採用しました。
総じて普通のカバですが、今期は草結びグロスや冷パンクチートなど様々なポケモンにメタられており非常に動きにくかった印象です。
カプ・レヒレ@オボンの実
特性:ミストメイカー
性格:図太い
実数値:175-x-183-115-150-108
努力値:H236 B252 S20
技:波乗り/ムーンフォース/自然の怒り/挑発
調整:
・H:16n-1で最大
・B特化、余りS
毎度おなじみ(?)HBレヒレ。以前書いた記事で「いい加減レヒレから離れたい」などと宣っていたような気がしますが、結局最後になっても入ってきてしまいました。依存症としか言いようがないです。
さて、レヒレの役割としては、
(1)状態異常戦術へのメタ
(2)バシャやマンダ、マンムーへのクッション
(3)怒り+挑発による崩し
と言った要素が挙げられます。
今期も高性能なポケモンではあったものの、飛行Zギャラなどの役割破壊を受けることが増えたように思います。流石にそろそろレヒレから離れたいものですね......
アローラベトベトン@突撃チョッキ
特性:毒手
性格:意地っ張り
実数値:181-172-95-x-152-70
努力値:H4 A252 D252
技:叩き落とす/追い討ち/影打ち/ダストシュート
レヒレベトンのベトン。テテフに役割を持つ枠であり、ゲンガーを追い討ちでキャッチして処理する枠であり、リザYやゲッコウガを誤魔化す枠でもあります。
技はリザYやガモスの起点回避が可能なダストシュート、ゲンガーを捕まえる追い討ち、一貫性が高く安定行動にしやすい叩きの3つは確定。最後の枠には対面性能を上げる影打ちを採用しました。
ベトン自体は特殊ポケモンとの撃ち合い性能が高く非常に優秀なポケモンでした。ダストをきちんと当ててくれたのも偉い。
ただ、今回はメガ枠をマンダからバシャに変えてしまったので、バシャもベトンもランドロスが辛い、というアンチシナジーな部分が発生してしまいました。そういう意味ではベトン採用にも検討の余地があります。
霊獣ボルトロス@格闘Z
特性:蓄電
性格:穏やか
実数値:171-x-91-165-143-138
努力値:H136 B4 D236 S136
技:10万ボルト/気合玉/サイコキネシス/悪巧み
調整:
・S:準速カプ・レヒレ抜き
・D:11n
・余りH
ちょっと変な配分のボルトロス。バナカグヤやロトム、ナットレイが絡んだサイクルを崩すために採用しました。
この配分は、ロトム対面から積んで殴り勝つためのものです。
普通のCS振りだと、ロトム対面で積んでも返しのZ技で吹っ飛びます。
しかしこの配分であれば、ロトムのZオバヒやZドロポンを耐えるので、悪巧み→ZオバヒorZドロポン→Z気合玉、という流れで殴り勝ちつつCが2段階上がったボルトを場に残せる、という訳です。
技構成は、 10万・悪巧みのセットと、ナットレイを吹っ飛ばしたり、Zと合わせてロトムに殴り勝つための気合玉の3つは確定。最後の枠にはバナを崩せるサイキネを採用しました。
サイキネの利点と弊害は半々といった所です。バナで受けにきてくれる相手には刺さった反面、地面に素早く遂行できなくなったせいで勝てなかった試合もありました。そのためサイキネとめざ氷のどちらが良いのかは何とも言えません。
特性:猛火→加速
性格:意地っ張り
実数値:155-233-100-x-101-152
技:フレアドライブ/馬鹿力/岩雪崩/守る
1番最後に入って来たポケモン。元々この枠にはマンダが居ましたが、とうとう解雇される運びとなりました。
理由は、テッカグヤやロトムが余りにも辛い事と、単純にあまり活躍しておらず、腐り気味であった事の2点があります。
そこでマンダを抜くと決めた上で、マンダの役割だった「ルカリオストッパー」をこなせてボルト・ロトム・カグヤを高火力で叩けるバシャを採用する事となりました。
以前膝バシャを使った時、ミミッキュ入りに出すたび膝を撃つ撃たないの択になる点が扱いにくかったので、格闘技としては馬鹿力を採用。雪崩はリザを意識しつつマンダやギャラを誤魔化すために採用しました。
ただ雪崩については、重めなマリルリやギャラに抗える雷パンチも選択肢に入ります。
このポケモンをSM環境でまともに使ったのは初めてですが、その突破力の高さには驚かされました。間違いなくマンダより数段上ですね......
〔選出パターン〕
この構築には明確な選出パターンが無く、選出段階で「誰で勝つか」を考える必要があります。
一応、傾向としてはカバベトン+1やカバグロス+1が多かったように思いますが、それもパターンと呼べるほどではありません。
〔きつかった相手〕
☆天候パ:こちらの全員より天候エースが速い上、カバやレヒレを貫かれるので大抵押し切られます。
☆:グロス軸で選出した場合に、ガルドグロス対面から身代わりを貼られるとベトンでも処理できず、非常に厳しい戦いを強いられます。
☆:威嚇+とんぼ返りがとにかくきつい。地面が一貫しやすいので、高打点の地震が安定択になりやすい点も辛い所です。
☆:胞子の一貫があるので仕事されやすいです。ミストフィールドを置けるレヒレが草抜群なのもしんどいポイントです。
☆:レヒレやベトンなどと対面してしまうと切り返しが非常に困難です。積み技読みでバシャを投げる動きもリスクが高いのでそうそう出来るものではありません。
☆:テクスチャーZを決められると切り返す手段がほぼありません。
☆:見た目がドランに厚そうな並びなので被選出率自体は高くありませんでしたが、いざ出て来られると処理に困りがちでした。
☆:ベトンで勝てない水フェアリーはきついです。どうにかしてグロスで削り倒すか、ボルトの10万を当てるかしかありません。
☆:飛行Zでレヒレが役割破壊されると、大抵そのまま押し切られて負けます。
メガ進化するそぶりが見えない場合、うまく2舞したタイミングでレヒレを一旦下げて後続にZを当てさせつつバレット圏内にどうにかして押し込む、といった工夫が必要になります。
〔結果〕
最高レート1864(画像無し)
最終レート1857
〔課題〕
(1)きつい相手が多すぎる
上述したので割愛、流石に穴が多すぎてプレイングで誤魔化すにも限界がありました。
(2)シミュレーション不足
構築段階で「どのように勝つか」というシミュレーションが出来ておらず、そのせいで行き当たりばったりな選出・立ち回りが増えてしまったように思います。
(3)選出難易度の高さ
相手がグロスをケアしてくるのかバシャをケアして来るのかが全く読めず、選出が噛み合わない事も多々ありました。
総じて、事前の考察が質・量ともに足りず、相手依存の要素やアドリブに頼る場面が多すぎました。
〔雑感〕
今期は強い方しか残っていなかった事もあり、思うように勝つことが出来ませんでした。まさか1900にすら乗らないとは......
具体的な反省点は先程書いたので割愛します。こうやって振り返ってみると、今回の結果はある意味必然だったのだろうと思います。
ただ、その一方で、グロスやボルト、バシャといったアタッカーで相手を殴り倒して行く動きは本当に楽しかったです。マンダ無しの並びを使う新鮮さもあって、最終日は久しぶりに楽しんで対戦が出来たような気がしています。
結果に繋がらなかったのは残念でしたが、それはUSMの宿題ということにします。
最後になりますが、S6にて対戦してくださった皆様、並びに私にアドバイスしてくださった皆様、ありがとうございました。
USMも買うつもりですので、次はUSM環境でお会いしましょう。
〔Special Thanks〕
ブライトンさん
ハンドタオルさん
割りばしさん
しゅんさん
構築相談に乗って下さり、ありがとうございました。
プレイングに関する意見
対戦を語る上で、「プレイング」という言葉をよく聞く。
しかし、私は以前からこの「プレイング」なるものに頼ることがどうしても不安定に思えてしまい、排除したいと考えている。
また、言葉自体についても、プレイングとは一体なんなのか、という定義が不明瞭なまま独り歩きしているような印象がある。
そこで今回は、FFの方から頂いた意見を元に「プレイング」という言葉を定義してみた。
結論から先に言ってしまうと、
・想定外の事態でこそプレイングが問題になる
・「プレイング」という概念には自分のスキルで完結出来る見方と、相手という要素が不可分の見方という2つの見方が混在している
以上2点が私の考えである。
これらのうち、プレイングの定義に関して言えば、後者の相手に影響されるプレイングについてはなるべく排除していくのが今後の目標である。
目次
☆先行記事に対する意見
☆「プレイングで勝つ」とはなんなのか
☆まとめ
☆先行記事に対する意見
パッケージ氏のこちらの記事によれば、プレイングとはある盤面において、もっとも勝率の高くなる手を選び取る行為であるという。
確かにこの定義であれば、一般的な「プレイング」という単語の使われ方をうまく説明できるように思う。
例えば手を見極めるという点でプレイングの上手い下手を論じる事が出来るし、所謂プレミという単語も「より勝率の高い手があるにもかかわらず、それとは別の手を選んでしまうこと」と定義できる。
さらにこの記事では、多くの相手に太い勝ち筋を用意出来るPTが強いPTである、とも定義されておりこれにも違和感が無い。
ただ、どうしても腑に落ちない部分がある。それは、
プレイングはそのPTの太い勝ち筋をしっかり盤面に出すという行為であるためこちらも重要
という一文である。
私としては、「太い勝ち筋を盤面に出して勝つまでのルートを考える」所まで構築段階で考える事であって、「太い勝ち筋を通す」というのはプレイングの範疇では無いと考えている。
なぜなら勝ち筋を考えるということは盤面に出す手段を決めておく事と不可分だからである。「どうやって勝つか」と考えることはすなわち「どのような試合展開を経て勝つか」と考えて事であって、それを想定出来ているならば、試合中にわざわざ1番勝率が高い手を「選ぶ」必要がない。試合の展開は事前にシミュレートしているのだから、それに沿って動くまでである。
なぜこうまでいうのかというと、実際に「ABCという並びに対してCDFと選出して甲乙丙と動いて勝つ」という所まで決めて構築された並びが実際に存在し、それを目標としているからである。
例えばこちらの記事では、選出パターンとそれを出す相手、動き方まで細かく書かれている。
この記事を書いた方にこれを構築段階で考えていたのか伺ったところ、次のような答えをいただいた。
つまり、この方はどのようにして盤面に勝ち筋を出して勝つか、という動き方まで構築段階で決めておられた、という事である。
この事からも、私は「太い勝ち筋を考える」という行為は構築段階で決めておく事であって、プレイングの問題ではないと考えている。
むしろ、事前にシミュレートした展開から外れた時にこそ、「プレイング」が問題になるのではないか。
☆「プレイングで勝つ」とはなんなのか
ここまで、太い勝ち筋を通すのはプレイングではなく構築段階の話であり、むしろ想定外の事態でこそプレイングが問題になる、と主張した。
この考え方に則ってもなお、「最も勝率が高い手を選ぶ行為」という定義である程度プレイングを説明する事は出来る。
この定義に則るなら、プレイングとは、想定外の盤面でも、最も勝率が高い手を選ぶ行為、というわけである。
しかし、この定義だけでは説明しきれない概念も存在する。それは「プレイングで勝つ」という概念である。
「プレイングで勝つ」という言葉に先ほどの定義を当てはめると、「プレイングで勝つ」という行為は、「最も勝率が高くなる手を選び続ける事で勝つ」と言い換えることができる。
確かにこの説明でも日本語として矛盾はないが、どうにもしっくり来ない。
プレイングに関してしっくり来ていない概念があるという事は、「プレイング」という概念に、勝率が1番高い手を選ぶ行為、という定義以外の意味付けがされることもある、という事になる。
こちらの「プレイングで勝つ」という概念を上手く説明出来そうな定義としては、ブライトン氏が提示された見方が挙げられる。
氏によれば、プレイングとは勝負を有利にする手段であり、「択の成功率を高めるための根拠や知識、構築の理解度を含むもの」であるという。
これを言い換えると、その場の状況に応じて勝ちへのルートを描く事、と捉える事が出来る。
パッケージ氏の定義と違う点は、「相手」という要素が関わっている点である。
勝率が高くなる手を選ぶだけなら自分のスキル1つで完結出来るが、「状況」という要素に踏み込むならば、相手の思考や行動を無視出来ない。
有利な状況から詰める時には相手が狙うであろう勝ち筋(=自分の負け筋)を考えるし、捲りにいくときには相手がどう詰めてくるか考えて動くからである。
そして「プレイングで勝つ」という言葉を使う時の「プレイング」とはこちらの見方で意味付けされているのではないか。
こちらの見方を当てはめると、「プレイングで勝つ」という行為は、「状況に応じて相手の行動を見極め対応して勝つ」行為だと説明出来る。
こちらの説明の方が、「プレイングで勝つ」という言葉の「事前のシミュレーションではなく、その場のアドリブで勝つ」というイメージをより的確に説明しているのではないだろうか。
なおかつ、この「状況に応じて勝ちへのルートをアドリブで描く」という定義を使えば、冒頭で挙げた「プレイングに頼るのは不安定」という感覚にも説明が付く。
その場その場で相手の行動を見極めようとする時、それが根拠を持ったものだとしても、「相手が」その根拠に則って動いてくれるとは限らないからである。
例えば、よくある「相手がAを失ったらこちらのBを処理出来なくなるから交代読みをする」という行動、これも不安定な行動である。相手がAを失っても構わないと考えている場合この行動は失敗してしまう。
このような不安定な行動は可能な限り減らしていきたいし、今後は「構築段階で勝ちへのルートをシミュレーションする」という意識を持って構築を組んで行きたい。
☆まとめ
長々と書いて来たが、以上の内容をまとめると、以下のようになる。
・プレイングには自分のスキルで完結する見方と、「相手」という要素が絡む見方がある
・「太い勝ち筋を盤面に出す」のは構築段階で考えておく事でありプレイングの範疇ではない
・「プレイングで勝つ」という言葉を使う時にイメージされるのは後者の概念である
前者の最も勝率の高い手を選ぶという行為は流石に排除しようがないのに対し、後者は試合以前の段階で勝ちへのルートをシミュレーションしておく事で減らせると考えている。
今後は「プレイングで勝つ」のではなく「構築で勝つ」という勝ち方を目標にしたい。
お祈りプレイ
最近の悩みごとの一つ。
ここでいう「お祈りプレイ」というのは、急所に当たるよう祈って殴るとか、怯み狙いアイへぶっぱ、と言ったプレイングのことではない。
そうではなく、「相手の型が〇〇型だったら負けだけどそれ以外なら勝ちだからそれ前提で行動する」とか「相手のラス1がAだったら負けだけどBなら勝てるのでAを切って行動する」と言ったプレイング、こういう行動を「お祈りプレイ」と呼んでいる。
最近も、こういうラス1対面があった。
こちら:最速メガグロス 冷パン持ち
HPはガブの地震を耐えないくらい
お相手:型の分からないガブリアス
HPは黄ゲージくらい
この盤面では、ガブがスカーフ以外なら冷パンでしばれるが、スカーフなら地震で縛られてしまう。そのため、「スカーフじゃありませんように」とお祈りせざるを得なかった。
個人的に、こういう状況を非常に不快だと思っているので、可能な限り無くしていきたい。
理由は、「お祈りプレイをしている時点で勝率が不安定になってしまっているから」である。
先述した例で言えば、相手のガブがスカーフかどうかなんて事はもはや運ゲーで、毎回毎回こんなことをしていたらどんどん勝率10割から遠ざかってしまう。
こんな事を言うと「相手にも採用理由があるから云々」と言う方がいらっしゃるだろうが、それはあくまで「こちらが信じている理屈」であって相手がそれに沿っているとは限らない。だからこそお祈りプレイは危なっかしいんである。
選出については他の2体から予想できるためまだマシだが、これも予想外のラス1を選出されていることがままあるので当てにならない。
それ故にこういうお祈りをなくしたいのだが、どういう構築を組めばそれが実現出来るのか、という事については明確な答えを出せていない。
ただ、捌いて切り返す構築よりも、能動的に制圧する構築の方が、相手の選択肢を奪って主導権を握りやすい分お祈りプレイを減らせるのではないかと思う。
【ポケモンSM】耐久振り格闘Zボルトロス
〔型紹介〕
化身ボルトロス@格闘Z
性格:穏やか
実数値:185-x-90-146-138-139
努力値:H244 C4 D204 S60
技:10万ボルト/気合玉/サイコキネシス/悪巧み
調整:
・最速マンムー抜き
・H奇数で最大
・ロトム意識でHD振り(C172水ロトムのドロポンを超高乱数2耐え)
以前下リンクの構築を使っていた時、ロトム系統にZ技でボルトロスを吹っ飛ばされるのが非常に辛かったので、それを克服するべく考えた調整。
通常のCSボルトロスでは、ロトム側のZドロポンで切り返されてしまうが、このボルトロスはそれを耐えて上からC+2Z気合玉で突破することが出来る。
また、チョッキやスカーフ型の水ロトムにはC+2Z気合玉を耐えられてしまうが、その場合でもドロポンを2耐え出来るので、悪巧み→ドロポン→Z気合玉→ドロポン→10万、というルートで処理出来るので問題ない。
さらに水ロトムへの打点をZ10万ではなくZ気合玉とする事で、ドロポンのダメージ量から耐久力を悟られ地面に交替された場合でもダメージを与えることが出来る。
ただし、ランドロスに交代された場合は半減されてしまうので、それを気にするならサイキネの枠にめざ氷を採用して交代読みを駆使する必要がある。
マンムーに対しても、襷で耐えられた後上から氷柱針で処理されるリスクがあるので、それを嫌うならSを最速マンムー抜きまで伸ばすのも一考である。その場合、性格を臆病に変更し、H244 D252 S12 と配分する事で、最大限の特殊耐久と最速マンムー抜きを両立出来る。こちらの配分を採用した場合、C172水ロトムのドロポン2連打を耐える確率は81.48%である。
ところで、当然のように入っているサイキネであるが、これは火ロトムへの打点になるだけではなく、厄介なバナカグヤの並びに対するメタとしても機能する技である。
再びS4の頃の話題になるが、CS格闘Z霊獣ボルトロスを使っていた頃、せっかく悪巧みを積んでもバナに止められ、結局バナカグヤの並びを崩せずに負けた事があった。このサイキネはその解決策、というわけである。
他の選択肢としては、悪戯心を生かせる電磁波、コケコへの打点になるヘドロ爆弾などが挙げられる。
この型の有用性については、今期のレートで是非検証してみたい。
ちなみに、霊獣ボルトロスではSが足りず、水ロトムのドロポン2耐えと準速ロトム抜きを両立出来なかったので、本記事では化身フォルムでの紹介となった。
尤も、蓄電を失ったせいでコケコに殴り負ける弊害が生じた。そのため、耐久ラインを妥協するなら霊獣フォルムでの採用もアリである。
依存症
対戦をある程度長くやっていると、一種の「依存症」と言える状態になることがある。
ここでいう依存症とは、「特定のポケモンしか使いこなせなくなる状態」の事である。
「気がつくとカプ・レヒレが構築に入ってくる」とか、「ナットレイがいないとパーティが回らない」と感じてしまう状態、これが依存症である。
これの弊害として、どうしても構築の幅が狭まってしまい、可能性があるかもしれないポケモンや並びを採用しづらくなってしまうことが挙げられる。そしてその結果、構築を改良しようとしても、視野が狭くなったせいでうまいアイデアが浮かばない、ということになりかねない。
先ほどのカプ・レヒレを例に話すと、このポケモンを外し、似たような範囲と戦える他の耐久水(スイクンなど)と入れ替えてみても、ミストフィールドや挑発が無いことに不満を感じて、(スイクンの方がその構築にマッチしているかもしれないのに)レヒレへすぐ戻してしまい、結果レヒレ依存症が更に悪化する、という悪循環が起こってしまう。
また、依存の対象が並びレベルに及んだ場合、もし環境の変化によってその並びが通用しなくなってしまった場合、元の並びを使っても勝てず、かといって新しい並びを考えても経験不足で勝てない、つまり何を使っても勝てないという非常に厳しい状況に陥ってしまう。
ところで、なぜわざわざこのような記事を書いているのかというと、何を隠そう私自身もこの依存症に陥ってしまっているからである。
具体的には、S2辺りからずっと、ナットレイとカプ・レヒレの並びにすっかり頼りきりになってしまっていた。その結果、違う並びを使ってみても、この2体が恋しくなってしまう有様であった。
この症状を治療するためには、依存の対象となったポケモンを使わずに対戦するのが最も手っ取り早いと考えられる。そうすれば、ポケモンの幅を広げ、より広い視野で構築の可能性を考えることが出来るのではないかと考えている。
なおかつ、USUM以降は、このような依存症の予防策として、予めプレイスタイルの幅を広げておく、という施策を試してみたい。
具体的な方法論としては、早い段階から幅広い構築に触れる事と、可能ならば毎シーズン毎に違う軸で組む事、という2つの方法を考えている。