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日記帳 Twitter:@mokugyo327

【ORAS・S12序盤使用構築】コバルマンダトドン

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皆様こんにちは、木魚でございます。

今回は、私がS12の序盤に使用していた構築を紹介致します。私には難しい構築でしたが、思考の整理を兼ねてここに記録しておこうと思います。

〔簡易解説〕

コバルオンゴツゴツメット

陽気HSベース

インファイト/めざめるパワー氷/ボルトチェンジ/挑発

ボーマンダボーマンダナイト

陽気DSベース

恩返し/地震/龍の舞/羽休め

トリトドン@食べ残し

穏やかHDベース

地割れ/熱湯/冷凍ビーム/自己再生

ポリゴン2@進化の輝石

図太いほぼHBぶっぱ

イカサマ/冷凍ビーム/自己再生/電磁波

ギルガルド@ラムの実

意地っ張りHAS

シャドークロー/影打ち/聖なる剣/剣の舞

サーナイトサーナイトナイト

控えめHCS

ハイパーボイス/サイコショック/めざめるパワー地面/身代わり

〔構築の経緯〕

FFの方から、「コバルマンダトドン」という軸について聞き、そこから組み始める事に。

物理受けがコバルオンだけでは不安だった為、第二の物理受けとしてポリゴン2を採用。

残りの2枠には、ニンフィアサーナイトを意識した物理ギルガルドと、ここまでで重いヘラクレセドランの並びに分かりやすく強いメガサーナイトを採用しました。

〔個別解説〕

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コバルオンゴツゴツメット

特性:正義の心

性格:無邪気

実数値:185-116-155-112-81-170

努力値:H168 A44 B72 C12 S212

技:インファイト・めざめるパワー氷・ボルトチェンジ・挑発

調整:

・陽気メガバンギラスのA+1地震超高乱数耐え

・ゴツメダメージ二回+インファイトで203メガガルーラが超高乱数

・最速ガブリアス抜き

今回、FFの方から教えていただいた、構築のスタートとなったポケモンです。「ガルーラに後出しから確実な遂行が可能なゴツメ枠」として採用しました。

ガルーラより遅いゴツメ枠、例えばクレセリアスイクンといったポケモンの場合、後出し際にグロウパンチを打たれるとそのまま突破されてしまいます。また、ガルーラより速いゴツメ枠であっても、ジャローダのように耐久値の不足しているポケモンの場合、「後出しからだと捨て身急所で飛ぶ」という事態が起こり得ます。しかし、コバルオンであれば、後出し際にグロウパンチを受けても、次のターン不意打ちで縛られる事なく、インファイトでガルーラを突破出来る上、ジャローダのように「後出しからだと対応出来ない」という事にもならない、という訳です。

調整及び技構成については元構築のそのまま、詳しくはこちらの記事をご参照ください

(元構築:http://catasyo.tuzikaze.com/pokemon/s11.html)

さてこいつの使用感ですが、正直「相手出来る範囲が狭い!」というのが最初の感想です。実際のところ、ガルーラ軸以外に選出できそうな相手はバンギラス軸・メガギャラ軸くらいで、今まで使ってきたゴツメ枠(スイクンクレセリア等)と異なり、かなり「メタ性能」に特化したポケモンである、というところでしょうか。少し使いにくさを感じました。

ただ、挑発によって面倒なギミックに抵抗出来るのは確かですし、ガルーラに対するメタ性能の高さは感じたため、先述した「使いにくさ」は私の経験不足によるところもあるのでしょう。

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ボーマンダボーマンダナイト

特性:威嚇→スカイスキン

性格:陽気

実数値:175-167-151-x-142-182

努力値:H36 A12 B4 D252 S204

技:恩返し・地震・龍の舞・羽休め

調整:

・H16n-1

・C178バシャーモの珠めざ氷を高乱数耐え

・C177ボルトロスの珠めざ氷を最高乱数切り耐え

・メガ後最速ジャローダ抜き

今回のボーマンダは構築のスタートでは無く、コバルオンと相性のいいメガ枠としての採用となりました。具体的には、コバルオンの苦手な相手のうち、バシャーモウルガモスなどの高火力炎や、ローブシンヘラクロスなどの格闘の相手をします。

このマンダも、元はFFの方から教えていただいた型で、その時は「Dに厚く振れ」とだけ聞いていました。そこで、先程挙げた元記事を見ながらこのマンダの仮想敵を考えたところ、「珠バシャーモ」というところに気づき、上記のような配分に決定しました。

技は、「高火力炎を対面から突破する、あわよくば起点にする」という役割を考えて選択しました。メインウェポンとしては、反動による消耗を防ぐために恩返しを、範囲の広いサブウェポンとして地震を採用。その上で役割を果たすための龍舞と、龍舞を複数回積むための羽休めを採用しました。

このポケモン、「役割を果たすボーマンダ」としては悪くなかったものの、メガ後に最速ライコウが抜けなかったり、恩返しの火力が微妙に足りずにミリ耐えされて負けたりと物足りない部分も多く見受けられました。もう少しDを削ってASに回したほうが良いかもしれません。

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トリトドン@食べ残し

特性:呼び水

性格:穏やか

実数値:209-x-102-112-143-57

努力値:H180 B108 D220

調整:

・H16n+1

・火傷込みでA200鉢巻ガブリアスの逆鱗を高乱数二耐え

・余りをDに全振り

・最遅ガルド-1

技:自己再生/冷凍ビーム/熱湯/地割れ

コバルマンダの並びだけでは処理の困難な電気タイプに後出しが可能で、なおかつロトム系統に崩されないポケモンとして採用しました。また、このポケモンであれば、水地面というタイプと特性呼び水によって、スイクンに対して後投げする事もある程度可能です。

努力値については、食べ残しの回復効率を考え、H16n+1調整と両立できる最大限のHPを確保した上で、熱湯による誤魔化し性能を大きく上げられ、且つ「電気受け」としての性能を損なわないラインまでBを引き上げました。その上で、「電気受け」の仕事を果たせるように、余った努力値を全てDに振りました。

技は、電気タイプに対する遂行技であり、且つ後投げされる物理に対して誤魔化しとなる熱湯、「受け」として仕事を果たす為の自己再生、ボルトロスやサンダーに対する遂行技である冷凍ビーム、スイクンに対する遂行技であり、パーティ全体で重い瞑想ニンフィアに抵抗できる地割れの4つを採用しました。

このポケモンは、確かになかなかの特殊耐久力を持ち、しかも意外と火力も高く、サザンぐらいであれば冷凍ビームで返り討ちに出来るほどの性能を持ちます。

また、トリック以外の方法でロトム系統に崩されない点も優秀、その上、毒や火傷の入った相手との対面で下から再生を連打する動きも強力でした。

この様に、ややマイナーでありながら汎用性も決して低くはなく、面白い性能のポケモンでした。しかし、スイクン絶対零度を取り戻してしまった為、今期限りでのボックス行きが決定しました。

実際、零度スイクンに上から零度を当てられて散った試合もありましたので、このポケモンで零度スイクンの相手は出来ないと考えるべきでしょう。

(追記)

来期は零度スイクンが居なくなるそうです。そうなれば、こいつもまた活躍できるかもしれません。

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ポリゴン2@進化の輝石

特性:トレース

性格:図太い

実数値:191-x-156-125-115-82

努力値:H244 B252 S12

調整:

・H16n-1

・B特化、余りS

技:自己再生/冷凍ビーム/電磁波/イカサマ

物理受けをコバルオン一体に任せるのは非常に不安だったので、「ゴツメを必要とせず、かつゲッコウガに後投げの出来る物理受け」を考え、このポケモンを採用しました。他の物理受けとの差別化については、「ゴツメを必要としない」、この1点で十分でしょう。

また、このポケモンであれば、コバルマンダトドンでは対処し辛そうな相手のボーマンダガブリアスリザードンをある程度誤魔化すことができ、補完として優れていると言えます。且つこの構築であれば、HBポリゴン2の問題点であった「グロウパンチガルーラの起点にされる」という欠点をコバルオンがケア出来るため、この構築にマッチしていると判断しました。

努力値については、「物理受け」としての役割を期待していた事と、鉢巻ガブリアスメガボーマンダへの後出しを想定していた事から、HBに振り切りました。剣舞を2積みしたアローのブレバを耐えて勝った試合も有ったので、これで良かったと思います。

4つの技のうち、「物理受け」として仕事をこなす為の自己再生と、ガブリアスボーマンダへの遂行技としての冷凍ビーム、初手のXだかYだかわからないリザードンとの対面で安定択となり、且つポリゴン2のストッパー性能を高める電磁波、の3つまではすんなり確定しました。

最後の1枠には、当初はスイクンへの打点を確保したかったので放電を採用していました。しかし、マンムーへの打点が無いことを不満に思った上、低火力な放電をアローの起点にされたことを踏まえ、物理への汎用打点となるイカサマに変更しました。

特性は、ガブやマンダへの後出しを想定してトレースを選択、鮫肌や威嚇をトレースして、自らの負担を軽減させることにしました。

使用感ですが、冷凍ビーム1発で凍ったことを除けば特に言うことはありません。ボーマンダとの相性も良く、しっかり働いてくれました。

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ギルガルド@ラムの実

特性:バトルスイッチ

性格:意地っ張り

実数値:159-112-170-x-171-88

(シールドフォルム時)

努力値:H188 A252 D4 S60

調整:

・H16n-1

・A特化

・余りS振り、DL対策で端数をD振り

技:剣の舞/シャドークロー/聖なる剣/影打ち

ここまでの四体を考えた時、フェアリースキンハイパーボイスが強烈に一貫していることに気づきました。そこで、(1)サーナイトニンフィアに役割を持てる(2)ゲッコウガ・ゲンガー・スイクンヘラクロスを対面から突破可能(3)クレセドランを崩せるという三つの条件を満たすポケモンとしてギルガルドを採用、型は、瞑想ニンフィアを突破したかったので物理型に決定しました。

技は、物理型のメインウェポンであるシャドークロー、瞑想ニンフィアクレセリアを崩しつつ、シールドフォルムのまま様子見の出来る剣舞、ヒードラン意識の聖なる剣、ゲンガー意識であり、剣舞を積み、役割を果たした後、死に出しして来た相手に負担をかける影打ち、とすんなり確定しました。総じてテンプレの物理ギルガルドと言った感じで、こいつ単体については特に言うことがありません。

ただ、構築全体から見た時、このポケモンが果たして最適解か?と言われるとやや疑問であります。確かに(1)〜(3)の条件を全て満たせるのポケモンとしてはギルガルドしか浮かびませんでしたが、後述するサーナイトによって対クレセドラン問題・対ヘラクロス問題がある程度解消されたので、「読み」が求められるギルガルドよりも、耐久力と対ガブリアス性能で勝り、且つ思考停止気味に動かせるナットレイの方がいいかもしれません。

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サーナイトサーナイトナイト

特性:トレース→フェアリースキン

性格:控えめ

実数値:159-x-87-237-155-136(メガ後)

努力値:H124 B12 C248 S124

(めざ地前提、実際の個体とは異なります)

調整:

・H16n-1

・メガ後に最速メガバンギラス抜き

・C特化

・余りB

技:ハイパーボイス/めざめるパワー地面/サイコショック/身代わり

一番最後に入ってきたポケモンであり、ここまでで重いヘラクレセドラン・サザンドラ・受けループ・クレッフィへの回答として採用しました。

技は、メインウェポンであるハイパーボイスは切る理由がないので確定とし、ついでクレセドランの並びを崩せるめざ地と、受けループ、具体的にはラッキーを意識してサイコショックを確定としました。最後の一枠には、メガ前にクレッフィと対面し、いたずらごころをトレース出来た際に安定択となり、且つ大きくアドバンテージを稼げる身代わりを採用しました。身代わりについては、ラッキーに対抗できるようになる挑発と選択といったところでしょうか。

ただ、このポケモンを採用したはいいものの、サザン以外の役割対象とマッチングする事があまりなく、しかも他の五体と並びを作れているような気がしなかった為、あまり選出できなかったように思います。この枠も要検討でしょう。

〔選出〕

基本的に受け回す構築であるため、「選出パターン」の様なものはありません。なるべく「3体で相手の6体を相手する」という意識で選出していました。

また、「役割対象」がいた場合、そのポケモンを優先して選出します。

例えば、サンダーやスイクンがいたらトリトドンを出し、ゲッコウガがいたらポリゴン2を選出する、といった感じです。

〔雑記〕

個別解説も済んだところで、この構築全体について。

この構築、端的に言うならば「煮詰め切れていない」という印象です。

例えば、補完で入ってきたポケモン、特にサーナイトが構築全体で浮いており、他のポケモンと並びを形成しづらい、という問題点があります。且つ、構築全体で珠めざ氷バシャーモがきつかったり、スイクンの処理をトリトドンに一任しているために、零度スイクンへの対応が困難であったりと、パーティ全体としても完成度が高いとは言えません。

技構成についてもそれは同じで、例えば反動を嫌ってメガマンダに恩返しを採用しました。しかし、「恩返しのせいで火力が足りなかった、捨て身だったら勝ってた」という試合が複数あり、ここを変更した方がいいのではないか?と思いつつも考察がきちんと出来ておらず、「煮詰め切れていない」という印象が否めません。

この様な、納得のいかない並びになってしまった原因を考えるに、恐らくコバルオンが構築の幅を狭めているのが原因だと思います。

このポケモン、大して広い範囲を相手出来るわけではない、つまり「コバルオン以外にもう一枚物理受けを必要とする」にも関わらず、多くの物理受けにとって必須のゴツメを消費してしまうのです。このため、「第二の物理受け」として採用できるポケモンが殆どポリゴン2しか残っていませんでした。

また、このポケモンは鋼タイプでありながら、フェアリーに役割を持つ事が出来ません。このため、もう一体の鋼枠を採用する必要が生じ、並びを汚くする一因となりました。

このように、コバルオンというポケモンの性能が高くないにも関わらず、ゴツメ枠や鋼枠といった、構築における重要な枠を圧迫するため、「軸として組んだコバルオンを抜きたくなる」という本末転倒な事態に陥りました。

また構築全体で欠陥も多い上に、私にはこの構築をこれ以上改善出来る案も浮かばなかったため、私はこの構築の研究を断念する事にしました。

〔Special thanks〕(敬称略)

かたショ(原案の作成者)