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日記帳 Twitter:@mokugyo327

約5000文字で単体考察してみた ナットレイ編

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〔前書き〕

 今回は、某氏の記事に触発されたので、ナットレイについて5000字で考察記事を書く、と言うお題に挑戦してみた。

 

〔強みと弱み〕

☆強み

 このポケモン最大の強みは「パーティのスロットを圧縮出来ること」である。

 それを成し得る根拠としては、以下の理由が挙げられる。

(1)鋼/草という優秀なタイプ

(2)耐久値の高さ

(3)技のラインナップ

 まず(1)のタイプについて述べると、ナットレイは弱点2つに対して10ものタイプに耐性を持ち、これだけでも単純に優秀である。

 更に、鋼タイプと草タイプを併せ持っていることで、鋼タイプの対フェアリーという役割と、草タイプの胞子無効枠という役割を一手に引き受けることが出来る。

 次に(2)の数値について触れる。ナットレイの耐久ラインは、特殊耐久に特化する事でカプ・テテフの眼鏡気合玉すら高確率で耐える程の高数値を誇り、優秀なタイプを存分に活かせる土台を備えていると言える。

 最後に(3)の技を見ると、鈍足と相まって威力150を出しやすい遂行技のジャイロボールや、サイクルの中で嫌らしい削りが出来る宿り木の種の他にも、鈍いやステロ、はたき落とすなどの優秀な技を複数習得出来る。

 総じて、タイプ・数値・技いずれも優秀なポケモンであるといえ、これらの要素が重なった結果、以下の役割を期待することが出来る。

(A)ゲッコウガキノガッサ・カプ系統・ミミッキュ・水ポケモン(水ロトムアシレーヌスイクンなど)の誤魔化し

(B)サイクルにおけるステロ撒き

(C)胞子の一貫切り

(D)「鋼枠」としての仕事(テテフを筆頭としたフェアリーへの遂行)

(E)サイクルにおける詰め札

 ここで重要なのはこれらの役割を「1体で」こなせるというところである。上記(A)~(E)の役割をそれぞれ切り取れば、代わりになりうるポケモンは存在するものの、それら全てを1体でこなせるポケモンは中々いない。

 特にカプ系統とゲッコウガを1体で誤魔化せる点はありがたく、構築を組む際や対戦中に幾度となく助けられてきた。

 耐性と数値も優秀なのでコントロール性能も高く、サイクル系の構築を組む際は大いに役立つだろう。

 

☆弱み

 「強み」の項で数値の高さについて論じたが、その実ナットレイの合計種族値は494しかない。その分尖ったポケモンであるため、以下に挙げるような弱みも存在する。

(1)役割破壊されやすい

(2)運負けが増えやすい

(3)身代わりに弱い

 (1)は、4倍弱点持ちであるが故の弱みである。数値こそ高いものの、高火力弱点技を圧殺出来る程ではないため、不意のめざ炎を受けると吹っ飛ぶ場合がある。その代表例がゲッコウガ

 また宿り木+守るなど補助技を多用するため、拘りトリックでロックされるのも辛い。

 (2)は、鈍足でありかつ命中不安技を多用する事に起因する弱みである。上から悪波を打たれて怯む、交代読みを決めたのに宿り木を外す、冷凍ビームで凍って出落ち、なんて事もよくある。

 (3)は、回復ソースを宿り木に依存しているせいである。身代わりを割るために1ターン費やさなければならないので、そこで龍舞や剣舞を積まれると一気に負けが近づいてしまう。

 

 以上の強みと弱みを踏まえると、耐久力を活かしてサイクルに参加する型が向くと言える。

 次章以降、ナットレイの型について検討する。

 

〔技の選択肢〕

・ジャイロボール

 ナットレイのメインウェポン。 

 鈍足故に、S実数値132以上の相手に対して威力150を出すことが出来る。そのおかげで、Aに振らずともそれなりの火力が出る。

 多くの場合でアイアンヘッドより高威力であり、フェアリーに遂行するためにも是非採用したい。

 

・宿り木の種

 ナットレイの回復ソースであり、ある意味主力技。更に、回復量から相手ポケモンのHPを8ポイント単位で算定出来るので、それを元に相手の型を割り出す事すら可能である。

 命中不安ではあるが優秀な技であり、余程の事情がなければ必ず採用したい。

 

・種マシンガン

  草技候補その1。命中安定であり、かつヒット数次第で身代わりを貫通出来る。

 身代わりスイクンや激流ゲッコウガ、雨ラグラージなどを強く意識する場合に採用したい。

 またPPも多いので、鈍いや叩きと合わせてミラーにも強くなれる。

 

パワーウィップ

  草技候補その2。命中率こそ不安定であるものの、威力が120と高い。

 瞑想カプ・レヒレやメガギャラドスへの遂行を意識したい場合、種ガンよりこちらが優先されるだろう。

 

ステルスロック

 優秀な定数削り技。

 複数回サイクルを回す事も多いこのポケモンにとって、「サイクルを回すこと」それ自体をアドに変えられるのは大きな武器になる。

 呼びやすい炎を牽制できる点も有難いので、枠があるなら優先して採用したい。

 

・守る

 何かと便利な技。切られる事も多いが、このポケモンの場合、拘りロックやZ技透かしなどの一般的なメリット以外にも、宿り木の回復量増加という無視出来ない利点が得られる。

 積み技を合わされるリスクもあるもののそれはプレイングや後続次第でケア可能なので、個人的には優先して採用したい。

 

・鈍い

 自らを詰め筋に出来る他、ミラーマッチの泥沼化を回避出来る技。

 それ以外の部分でも、受けサイクルミラーにおいて、複数回積む事で相手を一方的に崩す事が出来、宿り木ステロの定数削りとは違った勝ち筋を作れる。

 一方で、ナットレイは炎や格闘の高火力を呼びやすく、その手のポケモンについては鈍い込みでも間に合わないので、安易に押せる技ではない。

 主にスローテンポな展開の対戦で役立つ技だと言える。

 

・叩き落とす

 グライオンの毒毒玉や、ポリ2の奇石など、面倒な持ち物を落とせる技。

 ナットレイは有利不利がはっきりしているので、その手のポケモンが出てくるタイミングを読みやすく、交代読みでも使いやすい。

 

〔持ち物〕

・混乱実

 ぽけっとふぁんくしょんのデータによると、2018/12/15現在主流の持ち物である。

 下記の食べ残しと比較すると、瞬間的な回復量の高さが魅力的である。

 例えば、混乱実であれば、HDベースであってもミミッキュ剣舞Zシャドークロー+追撃を耐えて遂行する事が出来るなど、擬似的な自己再生として機能する。

 それ以外にも、ナットレイは等倍以下のゴリ押しに強く、少しずつ削れていく事が多いので、混乱実を持つ事で詰ませ性能を大きく向上させる事ができる。

 

・食べ残し

 耐久型の場合、上記の混乱実と選択で採用される持ち物である。

 こちらのメリットとして、回復が永続する点と、HPが1でも削れれば確定で発動する点が挙げられる。

 これにより、耐久水などの遂行速度の遅い相手と張り合う場面で混乱実より有効に働く他、混乱実採用時に起こる「発動条件を満たさないまま出落ち」というリスクを心配する必要がなくなる。

 

ゴツゴツメット

 HBベースの個体で採用される持ち物。鉄の棘と合わせる事で、接触1回につき3割近くのHPを削り取る事ができる。

 更に宿り木+守るを合わせれば、これだけでHPの半分以上を削れるので、定数削りの速度を強く意識した持ち物だと言える。

 

・拘り鉢巻

 アタッカー型で採用される持ち物。技威力のおかげでA特化すると馬鹿にならない指数が出る。

 例えば、A特化ナットレイの鉢巻ジャイロボールは最大で火力指数54000にも達する。この数値はメガクチートのじゃれつくや、メガルカリオインファイトよりも上であり、「見えにくい所から高火力をぶつけて崩す」という勝ち筋を作れる。

 ただし、当然ながら強みとして挙げたコントロール性能を全て捨てる事になるので、その役割を担う別のポケモンを用意する必要がある。

 

〔調整例〕

 以下、実際の育成例を挙げる。

 なお本記事のうち、(1)と(2)の調整については以下の記事より拝借した。

www.ponz-poke.com

(1)HBベース

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 混乱実持ちで主流の調整。ガッサのマッハパンチも木の実を合わせる事で3回耐える。

 役割対象の内、ガルーラ・ミミッキュキノガッサなどの物理を強く意識した調整と言える。

 また鈍いを搭載する事で、耐久型ポケモンへの崩しやミラーへの回答にもなりうる。

 ただし、相手も鈍いを採用していた場合、結局鈍いの積み合戦に突入し泥沼化するため、ミラーへの対応をこれだけに頼り切る事は避けたい。

 

(2)HAベース

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 鉢巻を持たせたアタッカー型。先にも述べたが、鉢巻ジャイロボールの火力は非常に高い。奇襲策として面白い型である。

 反面、耐久型のコントロール性能を捨てているので、その点に留意して構築を組む必要がある。

 

(3)HDベース

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 最低限の物理耐久を確保しつつ、特殊耐久を伸ばした調整。HDに振り切るメリットは、フェアリーや特殊水に対する遂行の安定性が上がる点である。

 例えばカプ・テテフとの偶発対面において、HBベースでは眼鏡めざ炎で飛んでしまうのに対して、この振り方なら、最高乱数切りで耐えつつ返しのジャイロボールで撃破することができる。

 

〔相性のいい取り巻き〕

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 決定力に対する潰し枠。ナットレイが呼ぶルカリオカミツルギバシャーモなどのポケモンに対して、積み技のタイミングで後投げしつつ切り返せる。特にルカリオカミツルギに後出しから勝てる点が非常に大きい。

 マンダ側から見ても、天敵ゲッコウガや、耐久水・カプ系統と言った張り合いたくないポケモンと鉢合わせた時の交代先になれる為、双方向の相性補完が取れる2体である。

 

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 炎に抗う枠その(1)。ガモス・リザなどに強く、ナットレイを起点にしてくるアーゴヨンなどにも抗える。

 特にリザ検定をある程度回避出来る点は非常にありがたく、採用すると重宝する。

 先述したマンダとの相性が良いのも良き。

 

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 炎に抗う枠その(2)。バシャやリザXなどに抗う事ができる。

 ランドロス側から見ても、不利な耐久水に対してナットレイへの後投げができるため、双方向の相性補完が取れている。

 

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 炎に抗う枠その(3)。ランドロス同様、バシャやリザXなどに抗える他、優秀な数値のおかげでナットレイを起点にしてくるクチートボーマンダにも抵抗できる。

 また砂とゴツメによって、ナットレイと共に定数削りを加速できる上に、不利な耐久水をナットレイで流せるので相性が良い。

 

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 炎に抗う枠その(4)。ケア出来る炎はランドやカバ同様バシャやリザXである。

 またゲッコウガに対して、ナットレイと並べる事で役割の分散が出来る事や、ミストフィールドのお陰で凍ったり火傷したりするリスクを潰せる点も有難い。

 レヒレから見ても、他のカプと鉢合わせた場合にナットレイへバック出来るので、受け寄りのサイクルを作りやすい。

 

〔構築例〕

 HDナットレイを採用した構築例を以下に挙げる。

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 これは筆者の構築であるが、HDナットレイとHBカバルドンのサイクルを軸に、受け切れないルカリオカミツルギへの対応としてマンダを組み込んでいる。

 詳細な内容については、以下の記事を参照して頂けると有難い。

mokugyo327.hatenablog.com

 

〔されると辛い行動〕

 ここからは、ナットレイを相手にする際に、ナットレイ側から見て辛い行動を纏める。

 以下の記事も併せてご覧いただけると幸いである。

mokugyo327.hatenablog.com

☆ミラーマッチ

 精神的には1番辛い。相手側に鈍いや有効打がある場合一方的に処理される上、お互い有効打がない場合泥仕合が始まってしまう。

 

☆身代わり(+積み技)

 宿り木を遮断され、積み技の隙を与えてしまう点が厳しい。

 そのまま裏まで一貫して負け、という事も少なくない。

 

☆一撃技

 低速ポケモンの宿命。

 弱点を付けない場合、ナットレイは遂行速度が遅いので、どうしても一撃技の試行回数を稼がれてしまうのが怖い。

 

☆拘りトリック

 〔弱み〕の項でも述べたが、補助技を多用する性質上、1つの技しか選択出来なくなるのは厳しい。

 

☆鬼火

 ジャイロボールの火力を削がれる上に、残飯の回復量を実質帳消しにされる点が辛い。

 似た理屈で、熱湯持ちも出来れば相手にしたくない。

 

 総じて、ナットレイを起点に裏から崩す動きに弱い。

 

〔終わりに〕

 本記事の考察は以上となる。〔前書き〕から〔されると辛い行動〕まで、丁度5000文字で終える事ができた。

 本来は「制限字数の中でどこまで過不足なく情報を詰められるか」という趣旨の企画だったそうだが、書いているうちに「1つの話題についてどこまで言葉を尽くして語れるか」という別の興味が湧いてしまった。

 一方で、使い慣れたポケモンであっても、言葉を尽くして記事に起こす事は意外と難しく、普段の自分が如何に雑な書き方をしているのか実感できた。構成を考える練習にもなるので、知識のあるポケモンについてはこれ以外にも書いてみたい。