【USM・S7使用構築】リザYグロスにボルトランドを添えて
今回は、私がS7で使っていた並びを紹介いたします。
〔構築の経緯〕
以下のような経緯で並びが決まりました。
(1)「今期はメタグロスが刺さっている」という話を聞きつけグロス軸で組むと決める。
(2)グロスと相性が良く、相手のミミッキュをケアしつつ対面操作のできるランドロスを採用。
(3)ここまで組んだ時点で、「ランドロスで物理受けを引きずり出しつつ蜻蛉を撃って崩しの起点にする」というコンセプトを立てる。
呼ぶカバを崩せるアシレーヌを採用。
(4)相手のアーゴヨンが非常に怖かったので、ストッパーとしてミミッキュを採用。
(5)残り2枠は迷走したものの、最終的には面倒なコケコを処理できる上にZ技に依存しない崩しが出来る霊獣ボルトロスと、HBカバに強く炎高打点の撃てるメガリザYの2体を選択。
〔個別紹介〕
以下の6体を使っておりました。
特性:クリアボディ→硬い爪
性格:陽気
実数値:167-185-171-x-131-178
努力値:H92 A156 B4 D4 S252
調整:
・H-B:A182ガブリアスの地震+鮫肌耐え、A216ランドロスの地震を高乱数耐え
・最速
・余りA
何の変哲も無いメタグロス。今回はこのポケモンから組み始めました。
技構成は遂行技のアイヘ冷Pと、終盤の勝ち筋になるバレットと、ミラーやガルドに抗える地震の4つです。毒や雷Pが欲しい場面はありましたが、切れる技が無かったので断念しました。
配分もテンプレのような振り方なので、型についてこれ以上説明することはありません。
今期はミラーマッチが多発し、その度に運ゲーになる点は心臓に悪かったものの、それを差し引いても使用感が非常によろしく、まさに軸と呼ぶに相応しい活躍をしてくれました。ミミッキュやアーゴヨンと対面からなら殴り合えるのも偉い。
特性:威嚇
性格:呑気
実数値:196-165-152-x-114-99
努力値:H252 B228 D28
調整:
・H-B:A156ミミッキュのA+1ぽかぼかフレンドタイム耐え
・余りD(C特化リザYが放射を撃ってきた場合に乱数が2つずれる)
この構築の核になるポケモン、ミミッキュに後出しから蜻蛉返りを撃てる枠として採用しました。
技は遂行技の地震とコンセプトの蜻蛉の他、リザードンに抗いたかったので封じ+ステロのセットを採用しました。
このポケモンの呑気という性格は、腕白狙いで厳選していた時に誤ってキープしてしまい、再厳選の手間を惜しんでそのまま使ったものです。この性格にしたことで、相手のランドロスとの対面で確実に下から蜻蛉を撃てるようになったため、結果的には呑気で正解だったのかもしれません。ランドランド対面から蜻蛉を撃ってグロスにつなぐ動きは非常に安定感がありました。
耐久面の少し変な調整ラインは当初バンジの実を持たせていた頃の名残です。バンジ自体は発動機会も多く非常に優秀だったものの、ゴツメに触らせて削りを入れたい場面があまりにも多かったのでやむなく変更しました。
以上のように割と紆余曲折のあった枠でしたが、対戦ではこの構築全体を1体で纏め上げてくれていました。統計は取っていませんが選出率はおそらくトップ、本構築のエンジンとも言える働きぶりでした。
ただ一方で、毒を切ったせいで崩し性能が皆無であり、それ故に相手のカバやポリ2(特に後者)に苦しむ要因となってしまいました。
持ち物についても、バンジが無いせいで肝心のミミッキュに安定しなくなったので、この点についても要検討です。
特性:激流
性格:控えめ
実数値:187-71-102-176-145-83
努力値:H252 B60 C108 D68 S20
調整:
・H-D:C222メガゲンガーのヘドロ爆弾確定耐え
・12振り60族抜き、余りC
7世代の水御三家、カバを崩せてリザマンダに抗える枠として採用しました。カプ・レヒレではない理由は、レヒレだとリザをZ技1発で落とせず動かれてしまう上に、瞬間火力が低く崩すのに時間がかかるからです。
調整は下記リンク記事の調整そのまま、技もテンプレの4つです。
(リンクは無断転載ですので、問題があれば削除致します)
このポケモン、火力は申し分なく、耐久面も1発は耐えてくれる数値であるため、後述のミミッキュ以上に信頼しておりました。
ただ、ポリ2を抜けずに勝ちを拾い損ねた試合があったので、Sラインについてはもう少し伸ばすべきでした。
ミミッキュ@ゴーストZ
特性:化けの皮
性格:意地っ張り
実数値:130-156-100-x-126-148
努力値:A252 D4 S252
技:シャドークロー/じゃれつく/影打ち/剣の舞
第7世代のトップメタ。本構築では、構築を組み始めた時非常に怖かったアーゴヨンへのストッパーとして採用しました。
その事もあって当初は崩しを兼ねた呪い痛み分けミミッキュZ型でしたが、高耐久ポケモンに再生連打で粘られると崩しきれない事が多かった為剣舞霊Z型に変更しました。
今期の反省点として、あやふやな採用理由故にミミッキュをあまり信用できず、使いこなせなかった事が挙げられます。
ガモスやリザYのケアに苦しむ事が多かったのですが、ミミッキュをもっと信用出来ていればそのような事態も避けられたのかもしれないと思う事頻りです。
霊獣ボルトロス@オボンの実
特性:蓄電
性格:控えめ
実数値:164-x-91-203-118-138
努力値:H76 B4 C156 D140 S138
技:10万ボルト/気合玉/ヘドロ爆弾/悪巧み
調整:
・H:オボン意識の4n、オボン込みで地球投げ4耐え
・C:ヘドロ爆弾でCSカプ・コケコを確定
・S:準速カプ・レヒレ抜き
・余りD
アーゴヨンと競合してもなおトップメタを張り続けるおじさん。ここまで組んだ段階でカプ・コケコがやや重く感じたので、コケコのボルチェンを無効に出来る枠として採用しました。なおかつ、このポケモンはZ技を使わずとも十分な火力が出せるので、他の枠にZ枠を渡せる点も魅力的でした。
技は10万悪巧み気合玉というよくある3つに加え、コケコへの遂行技としてヘドロ爆弾を採用。コケコがボルト対面で殆ど逃げないので、コケコ対面では容易にアドを取る事が出来ました。
CSぶっぱではなく耐久に努力値を割いたのは、CS振りだとSが過剰である一方、耐久が足りず結局思うように動けないことが多かったからです。
最速が生きるのは対リザくらいだと感じており、それなら最低限のSを確保しつつ耐久に振った方が使いやすいのではないかと考えております。
実際に耐久に振って行動回数を増やしたボルトロスは非常に使いやすく、ボルトランドグロス、という出し方が基本選出となったほどでした。
特性:猛火→日照り
性格:控えめ
実数値:159-111-121-220-136-135
努力値:H44 B180 C164 D4 S116
技:大文字/ニトロチャージ/ソーラービーム/目覚めるパワー氷
調整:
・H:16n-1
・H-B:A156ミミッキュのZシャドークロー+影打ち耐え
・S:最速70族抜き=ニトロチャージ1回で最速メガゲンガー抜き
・C:H215-D93カバルドンをソーラービームで超高乱数1発
・余りD
一番最後に入って来た枠であり、一番あやふやな枠。HBカバに有利で「崩し」が出来る枠として採用しました。
配分は下記リンクの記事を参考に改変したもの。最低限の行動保障をかけつつCSを伸ばせるような配分を目指しました。
(リンクは無断転載ですので、問題があれば削除致します)
技構成は、連打の効く文字、Sを上げるニトロチャージ、HBカバや水ポケモンを消しとばすソラビの他に、マンダやランド、グライオンなどを崩せるめざ氷を採用しました。
文字の枠は放射にしたい場面も多々あったものの、HSメガゲンガーへの確定数が変わってしまうのでやむなく不採用となりました。
めざパの枠は当初ドランやポリ2意識の気合玉だったものの、使った記憶が無かったので最終盤に変えました。
しかし、そのせいでドランに怯えて選出出来ない事態が多発した上、ゲンガーの道連れを透かす動きも出来なくなってしまい立ち回りの柔軟性が大きく落ちてしまいました。めざパも殆ど役に立たなかったので、絶対に気合玉の方が良かったと後悔しております。
使用感自体は可もなく不可もなし、と言ったところです。正直メタグロスやボルトロスが強すぎてあまり出番が無かった、というものその一因です。アシレーヌと同時選出した際に、日照りのせいでアシレーヌの邪魔をしてしまう場面があったのもマイナスポイント。
ただ、面倒なカバや非常に重い雨パに抗えるのはありがたいので、結果的にリザYが正解だったのかもしれません。
〔選出パターン〕
☆or++1
最も基本的なパターン、ランドロスの蜻蛉返りでパーティを回しつつ、ボルトロスやZ枠で崩してメガエースを通すのが本パーティのコンセプトです。
1番多かったのはボルトランドグロス、という選出でした。
☆++or
ゲンガー入りの受け回しに対する選出。先発リザで相手のゲンガーを排除し、裏のボルトロスで崩しにかかる選出です。
ラスト1体はゲンガーが怖いならミミッキュ、グライオンや物理受けを重くみるならアシレーヌを選出します。
〔苦手なポケモン〕
☆ :ポリ2単体なら崩すルートはあるものの、裏のドランやゲンガーと合わせて固められると突破が困難でした。
☆:アシレーヌで殴り合いに行ったらダストを撃たれ、ダストチェックのためにグロスに引いたら悪波を撃たれると行った有様で、行動が全く読めないのが非常に辛かったです。
誰も上を取れないのも辛かった一因。
☆:誰も上を取れないせいで、ほぼ確実に何かしらの仕事をされる点が辛かったです。特にグロス軸で選出している場合にゲンガーが出てくると辛かった印象。
リザYを選出していればある程度対抗出来ますが、ゲンガー入りに都合よく毎回リザを出せる訳でもありません。
☆:グロスミラーで対応しようとすると同速運ゲー、それ以外のルートで倒そうとすると怯み運ゲーといったように、どう転んでも運ゲーになってしまう点がしんどかったです。
しかも何故かよく運ゲーに負けていたような印象。なんでだろうなあ......
☆:炎+電気+氷の範囲を受けられない上に、こちらからの攻撃も通りにくい点が単純に対応しにくかった印象です。
☆:1度舞われてしまうと、ミミッキュかせいぜいアシレーヌでしか止まりません。
そのせいで強引にステロを撒こうとして負けてしまった試合もあり、とにかく立ち回りを歪まされていました。
〔結果〕
最高レート1926/最高順位1008位
最終レート1831/最終順位2395位
〔雑感〕
USM初めてのシーズンという事で、レートのインフレもありS5以来4ヶ月ぶりに1900まで辿り着くことが出来ました。
1900から潜ったのはS4以来半年ぶりですが、久々に1900帯で対戦出来たのは非常に楽しかったです。最後の最後で溶かしてしまったのは悔しいですが、それも実力として受け入れております。
勝てなかった理由を考えてみるに、構築とプレイングの両面で反省点が複数浮かびました。
初めに構築面から触れると、
・終盤の環境に合っていなかった事
・役割破壊要素の不足(特にランドロス)
以上の2点が問題でした。
特に前者の問題は深刻で、最終日にはこのパーティの苦手なゲッコウガやポリ2ゲンガーとうんざりするほどマッチングし、その度にレートを献上していた記憶があります。
次にプレイングの面では、
・勝負所で弱気になっていた事
・ウルガモスに怯えすぎていた事
・ミミッキュに対する理解不足
という3点が反省点です。
中でも一つ目の反省点は私自身の根本的な弱さであります。強気に読みを通さないと勝てない場面で無難な択を選んでしまうといったことや、相手の選出を絞れずこちらの3体で相手の6体をケアしようとしてしまうといったことが複数回あり、自分の臆病さと勝負弱さを実感しました。
ここまで反省文のような文章になってしまいましたが、パーティ自体は火力の高い面子が多く、高火力で相手を粉砕するのが楽しいパーティでした。
久々に全力で2000を目指すのは大変楽しかったので、来期以降もレート対戦を続けようと思います。
まずは2ロム体制で潜れるようにサブロムを進めるところから始めます。
最後になりますが、S7にて私と対戦してくださった皆様ありがとうございました。
次回はS8にてお会いしましょう。
メガメタグロス調整メモ
お久しぶりです。
今回は、今私が軸に据えて運用しているポケモンの調整ラインについてまとめました。
☆Aライン
・A197:無補正252振り
残飯型だった場合キングシールドを挟まれると地震2発目を耐えられる恐れがある
(2)H201-B151メガボーマンダへの冷凍パンチのダメージ:196~232(82.42%の高乱数1発)
(3)H177-B135カプ・レヒレがアイへで超高乱数2発(92.45%)
・A195(無補正236振り):
上記の乱数のうち、カプ・レヒレへの乱数、及びメガマンダへの乱数が動かないライン
・A194(無補正220振り):
・A186(無補正156振り):
・A185(無補正148振り):
H185-B113メガリザードンYが岩雪崩で確定
H167-B170ギルガルドが地震で超高乱数2発(98.28%)
・A176(無補正84振り):
H185-B113メガリザードンYがステロ+思念で確定
・A174(無補正68振り):
ステロ+思念でH153-B132メガリザードンXが確定(因みにHSリザXはA197まで伸ばしても68%の確率でしか落とせない)
☆Sライン(全て補正ありと想定)
・S178(252振り):カミツルギ、ミラーマッチなどを意識して最速
・S173(220振り):準速メガボーマンダ抜き
・S170(196振り):最速ガブリアス抜き
☆耐久ライン
・H174-B177(H148、B52振り)→A200ガブの地震+鮫肌耐え
・H171-B172(H124、B12振り)→A156ミミッキュの無限暗夜の誘い耐え
・H171-B171(H124、B4振り)→A216ランドロスの地震耐え=A216メガボーマンダのA +1地震耐え
・H165-B171(H96、B4振り)→A182ガブの地震+鮫肌耐え
【雑記】今年お世話になったポケモンたち
FFの方々に触発されたので、私も今年お世話になったポケモンたちの記事を書いてみた。
ORAS時代からSMのS5に至るまでの間、本ブログの看板を務めたポケモン。
初めての1900に連れて行ってもらったり、このポケモンのおかげで複数の方達とつながりが出来たりとお世話になりっぱなしであった。
今は力不足故にマンダから離れてしまっているが、またいずれ使ってみたい。
SMのS4にて初めて使って以来、現在まで最も信頼しているポケモン。
高い数値とSのおかげで対面性能が高い上、上からのアイへ怯みで数多の運勝ちを生み出してくれた最強ポケモンでもある。
HP緑ゲージのエアームドを2連怯みと急所で突破した試合すらあり、その害悪性能に震えるばかりである。
マンダを愛用していた頃、カバ展開へのメタとして採用していたポケモン。クッションでありながら崩しも出来るその性能は目を見張るものがあり、一時は後述するナットレイとともに依存症になってしまった程。
今は意図的に採用を避けている節もあるが、またいずれ頼る時が来るだろう。
個人的に最も信頼している鋼枠。胞子の一環を切れる上にステロを巻くこともでき、面倒なカプ・コケコもケア出来るなどマンダ軸の補完枠として非常に優秀である。
今は対面系の構築を使っている為ボックスで寝ているが、サイクル構築を自作するなら鋼枠として第一候補に挙げる枠だと思う。
しれっと構築に入り込むタイプのポケモン。クチートやバシャーモに有利である上、HD振りなら起点作りも出来る為、7世代最強のゴツメ枠はカバだと思っている。
実はナットレイ以上の出席率を誇る。
☆霊獣ボルトロス
個人的に好きなポケモンの1体。
蓄電のおかげでボルチェンの一貫を切れる点もさることながら、悪巧みと高いC、そして広い技範囲による崩し性能の高さが魅力的である。
入れるだけで構築の攻撃性能が大きく上がる上、ベンチにいるだけでも意味があるポケモンだと思うので、何か用がある度に霊獣ボルトロスを採用していた。
某氏から新しい型の案も頂いているので、まだまだお世話になるだろう。頼りにしている。
まだまだいるようにも思うが、長くなるのでこの辺で。
2018年もよろしくお願いします。
構築を自作する行為と車輪の再発明
構築を考えている時に直面している問題。
一言で言うと、「自分で構築を考えようとしても、それは車輪の再発明でしかないのではないか」という問題である。
「車輪の再発明」というのは、「既存のものを知らずに、同様のものを再び1から作る事」を表す慣用句であり、一言で言うと先人の二番煎じを一から作る事である。
なぜこんな事を言うのかというと、殆どの並びにおいては、他の先人達がもう既に開拓してしまっている、と感じているからである。自分で頭をひねって構築を組んでも、辿り着いた先は先人とそっくりな並びでしかなかった、という事が多々ある。
実際にぽけっとふぁんくしょんを開いて、考えている並びを検索してみると、殆どの並びについては既に結果を残した前例があり、一から新規性のある並びを組むのが難しい状況である。
ここまで書いてきたが、「別に車輪の再発明でも良いのでは?」という考え方もあるだろう。私自身もそういう考えで構築を組んできたが、「レートを上げる」という目標を最優先にする場合、これだとどうしても効率が悪いのである。わざわざ時間と労力を費やして車輪の再発明をするくらいなら、そのリソースで既存の構築を見つけてきて改良案を練る方が余程効率的に見えてしまう。
これに対する対応方法としては以下の 3つが考えられる。
(1)既存の構築を見つけて改良する
(2)マイナーポケモンや新規ギミックを開拓する
(3)車輪の再発明でも構わないと割り切る
(1)は、先程も述べたやり方であり、現実的な対応である。既存の構築を踏まえて改良策を講じているので、「先人の二番煎じ」という問題点からは脱却しやすい。ベースが強力な構築である為、ある程度は完成度が保証されている点も効率が良い。
一方で、私のようなビルダー気質の人間にとっては「既存の構築をコピーして改良する」というやり方にどうしても不本意な部分を覚えてしまう点と、コピーした構築を理解する部分に時間がかかる恐れがある点、以上2点が欠点として考えられる。
(2)の新規性のある構築を開拓する、というやり方は、ある意味ビルダー気質の人間にとっては一つの夢でもある。全く新しいギミックや誰も使っていなかったようなマイナーポケモンを開拓出来れば、車輪の再発明どころか自分が「先駆者」の側に回る事ができる。
ただし、そもそも論としてマイナーポケモンや新規性のあるギミックを組み込んで尚且つ勝てる並びに仕上げるのは、普通に構築する以上に難しい点が欠点である。
言ってしまえばこれも当たり前の話で、殆どのギミックは既に先人が考えてしまっているし、マイナーポケモンの方はメジャーなポケモンと比べてスペックに難があるから使われないのである。これらの壁を乗り越える必要があるので、新規性のある構築を開拓するのは普通に構築するより難しい、というお話である。
最後の(3)は、言ってしまえば一つの妥協である。ポケモンは一つの趣味なので、「構築を考える」というステップに楽しみを見出す人にとっては、こういう割り切りも有効だろう。
無論、この方法を選ぶなら、結果として生まれた並びが先人の劣化コピーになってしまうリスクがある点を認識しておく必要がある。
ここまで散々書いてきたが、ぽけっとふぁんくしょんや構築記事を見るたびに他の方々の構築力の高さと、それに対する自分の至らなさを実感する。精進せねばならないと思わされる今日この頃。
組み始めのポケモンと要求定義
最近、構築の改良案を練っている時に痛感している事。
それは、たとえ「使いたいから」という感情が採用理由であっても、その枠に対する要求定義をしておかなければならないという事である。
皆様は構築を組んでいる時、「組み始めに採用したポケモンが1番活躍しない」ということはないだろうか。少なくとも私はそのようなことが多々ある。
この現象、おそらく2体目以降のポケモンは期待する役割や想定する動きがある程度明確なのに対して、組み始めのポケモンだけは、採用する際にそのような要求定義が出来ていないからだと考えられる。
主に好きなポケモンから組み始めるタイプの方に起こりやすい現象であろう。
ここで言う「要求定義」とは、そのポケモンに期待する役割や動きを明確化するという事。補完枠を考える際は、「Aが重いので役割を持ちたい」とか「BCという並びを崩したい」といった風に、自然と要求を明確化しているはずである。
しかし、組み始めのポケモンだけは、「使いたいから」という一種の愛だけで(本人にとっては)採用理由が明確になってしまうためか、この様な要求定義が疎かになりがちである、と考えている。
実際、私自身もORASの頃から長いことボーマンダにこだわって来たが、その理由のほとんどは「使いたいから」という愛と意地であり、具体的な要求については「ルカリオを止める」という事以外はろくに定められていなかった。反省している。
この状況の弊害として、組み始めのポケモンが余り活躍せず、他のポケモンに変えた方が良いと判断した場合に、改良案が出て来にくい、という事が挙げられる。
その理由も単純で、組み始めのポケモンに対する要求がそもそも明確ではないので、代わりの枠にどの様な条件を設定すればいいかを決定できないせいである。
採用するかどうかを検討する際の条件をそもそも定義できないのだから、変更案を探すのに難儀するのも当然である。
私自身も、S4の構築(下リンク参照)を改良したいと考えた時、組み始めのマンダが腐り気味であったため変えたくなったものの、要求定義が出来ていなかったため上手い変更案を見つける事ができなかった。
この「組み始めのポケモンの役割があやふや」という状況は、組み始めのポケモンに対する要求を定義してから構築を組む事で回避出来る。
例えばこちらの記事では、モクローというポケモンを組み始めとしている。この構築においてはモクローへの要求も明確化できている事がわかる。
(リンクは無断転載なので、問題があれば削除いたします)
この組み方なら組み始めのポケモンに対する要求が明らかなので、改良案を練る際も迷走せずに済む。
好きなポケモンから構築を組み始める際も、「採用理由は愛」で済ませるのではなく、役割を明確化する事が重要である。
サイクル構築がメタられやすい理由と対応策を考えてみた
某氏の「サイクル構築はメタられやすい」という趣旨のツイートを受けて、それが何故なのか、そしてそれに対抗するにはどうすれば良いのか考えてみた。
結論から言うと、サイクル構築がメタられやすいのはシミュレーションのしやすさと誤魔化し性能の低さが原因であり、それにサイクル側が対抗するには環境を読む(あるいは環境を把握する)より他ない。
なおサイクル構築と言っても攻撃寄りの物と守備寄りの物があるが、本記事では守備寄りの構築を想定して話を進める事とする。
さて話を戻すと、「シミュレーションしやすい」というのは言葉通りの話である。
サイクル構築は基本的に個々のポケモンの有利不利が分かりやすく且つそれに忠実に動く傾向があるので、対策する側からするとシミュレーションしやすいと言える。
例えばヒードランはナットレイやクレセリアには非常に有利である反面、ガブリアスやバシャーモにはまず勝てない。このため相手からすれば、ナットレイにヒードランを後出ししてくる事や、ガブリアスとの対面で引いていく事を想定しやすい。
そしてそのような動きを想定出来ているのならば、そこに役割破壊を撃ち込みやすいという事になる。
尚且つサイクル適性を持ったポケモンは、有利なポケモンには非常に有利な反面、有利と言える範囲が狭くなりやすい。しかも後出しから遂行する関係上鈍足高耐久のポケモンが多く、サイクル構築だとそのようなポケモン達で固まりやすい。このため、「上から殴って誤魔化す」という動きをどうしても取り入れにくい部分がある。
以上のような「シミュレーションのしやすさ(≒役割破壊の組み立てやすさ)」と「誤魔化し性能の低さ」が原因で、サイクル構築はメタされやすいのだと考えられる。
これに対するサイクル側の策としては、以下の3点が考えられる。
(1)メタを数値で圧殺する(受けループなど)
(2)メタへの対策を仕込む(地雷を仕込むなど)
(3)メタを事故と割り切る
以上3つのうち、環境に左右されない手段としては(1)が挙げられるが、これはZ技などで攻撃側の火力が上がっている現状どうしても実現が困難である。
そうなると残るのは(2)と(3)である。
(2)を機能させる為には環境にどのようなメタが多いのか把握する必要があるし、(3)も本当に事故扱いして良いかどうか判断するには環境把握が不可欠である。
このような事から、サイクル構築がメタされている中でそれに対応するには、「環境に適応する」というある種当たり前の方法しかない、と言う結論に至った。
尤も、守備寄りのサイクル軸はそもそもメタ思考の強い並びである、と考えるならば、このような結論に達するのもある意味当然なのかもしれない。
【ポケモンウルトラサン・ウルトラムーン】新ポケモン決定力指数まとめ
今回は、新作発売後初記事という事で、新しく追加されたポケモン達の決定力指数をまとめる。
決定力指数とはポケモンの火力を数値化したものであり、
決定力指数=AorC×技威力×各種補正
このような式で算出できる。
ちなみにA156ミミッキュのA+2Zシャドークローの決定力指数が65520、C147カプ・コケコのエレキフィールドZ10万ボルトの決定力指数が57881である。
・A156ミミッキュZじゃれつく:44460
・A156 A+2ミミッキュZじゃれつく:88920
(参考)
・A156 フェアリーZじゃれつく:40950
・A156 A+2フェアリーZじゃれつく:81900
前作SMの段階で既にトップメタだったにもかかわらず、なぜか更なる強化を与えられたポケモン。
フェアリーZじゃれつくの威力は175なのに対して、ミミッキュZじゃれつくの威力は190なので、上に挙げたように既存のフェアリーZ型と比べ約1.1倍の火力が出せる。
これにより、ステロ+A +2ミミッキュZじゃれつくでHBカバルドンが乱数で落ちるようになる、と言った確定数のズレが発生してしまっている。
一体ゲームフリークは何を考えてこんなものを与えたんだろうか......
☆ルガルガン(黄昏の姿)
・A169 ストーンエッジ:25350
・A169 アクセルロック(硬い爪込み):13182
・A169 噛み砕く(硬い爪込み):17576
・A169 炎の牙(硬い爪込み):14280
・A169 ラジアルエッジストーム:48165
新しく追加されたルガルガンの新フォルム。ラジアルエッジストームの威力は190なので、剣舞を覚える事を踏まえるとなかなかの火力が出る。
ただ、メインウェポンと硬い爪がいまいち噛み合っておらず、適用技も素の威力が低いため火力指数が伸びない。
総じて惜しいところで噛み合っていない印象。
(追記)
ちなみにA169硬い爪アクセルロックのダメージ計算例を挙げると以下のようになる。
vs H171-B150メガボーマンダ:66~80(確3)
vs H125-B200 パルシェン:50~62(確3)
vs H153-B131 メガリザードンX:78~92
(ASなら確2、HSだとギリギリ2耐えされる)
vs H185-B113 メガリザードンY:180~216
(急所込みで76.56%の乱数、ストッパーとしては十分な火力か)
vs H161-B85 ウルガモス:232~280(余裕で落とせる)
vs H129-B73 ズガドーン:134~162(即死)
これを見る限り、岩弱点ポケモンへのストッパーとしては悪くないのかもしれない。
・C167 ブレイジングソウルビート:46342
・C167 C+1ブレイジングソウルビート:69513
(参考)
・C167 C+1 スケイルノイズ:41332
・C167 C+1 気合玉:45090
専用Z技が追加されたので掲載。ブレイジングソウルビートのCアップがダメージ計算前に適用されるのか、ダメージ計算後に適用されるのか分からなかったので、両方のパターンを載せることにした。お分かりの方がいらっしゃればご指摘頂けるとありがたい。
さて、このポケモン、Z技の火力は高く、かつ全能力アップも破格であるものの、それでも環境で活躍するビジョンが見えないのが悲しい。
ミミッキュを筆頭にフェアリーに透かされる点もそうだが、何よりそもそものCが低すぎて、1段階上がった程度ではそこまで火力が出ない点が残念なところ。
せめて専用Z技が格闘タイプだったらまだ可能性があったのだろうか。
☆ズガドーン
・C203 ビックリヘッド:45675
・C203 オーバーヒート:39585
・C203 大文字:33495
・C203 シャドーボール:24360
・C203 Zビックリヘッド(威力200):60900
・C203 Zシャドーボール(威力160):48720
USのみに出現する新UB。上の通り、Z技の威力はなかなか高い。うまくビーストブーストでCを上げられれば全抜きも狙えそう。
ただし耐久力が低すぎて行動保証が掛けにくいので、「そもそもどうやって通すのか」という点を考えて使わないと腐りそう。
☆ツンデツンデ
・A201 ジャイロボール(威力150想定):45225
・A201 ロックブラスト(1発あたり):7537
・A201 ストーンエッジ:30150
・A201 地震:20100
こちらはズガドーンと逆に、極端に遅いUB。鋼岩というタイプ上、受けとしては使い物にならないが、アタッカーとしてなら耐久力とトリルが噛み合い動きやすそう。
自力でトリルを起動出来る点も非常に優秀。
ちなみにH252 A252 D4振りと仮定した場合、耐久力指数はそれぞれ
物理耐久力指数:88200
特殊耐久力指数:46581
となる。
☆アーゴヨン
・C179 流星群:34905
・C179 大文字:19690
・C179 ヘドロウェーブ:25507
・C179 めざめるパワー:10740
・C179 C+2 流星群:69810
・C179 C+2 大文字:39380
・C179 C+2 ヘドロウェーブ:51014
・C179 C+2 めざめるパワー:21480
・C179 C+2 Z流星群:104715
C127 S121というAT向きの種族値と毒龍炎という優れた攻撃範囲を持ち、アタッカーとしての活躍が期待できるポケモン。
悪巧みも覚えるので、積みエースとして活躍しそう。C+2Z流星群の火力は驚異の指数10万超え、ステロ+悪巧みZ流星群でHDポリ2も88.28%という高確率で突破出来る。
ただ個人的にゲッコウガを抜けないのが非常に惜しい所。耐久力は低いので、せっかく積んでもゲッコウガに上から冷凍ビームで縛られるのは惜しい。
ちなみにめざめるパワーのタイプは地面を想定している。これを持たせることで、悪巧みめざ地でHDヒードランも突破出来るようになる。
随時加筆予定。