ブルルドヒドイデを使ってみた感想
瞬発力・持久力・最高速度
(スポーツの話では)ないです。
構築を組むときに悩んでいた時、以前「瞬発力と持久力」という考え方を記事にした事を思い出し、この観点から構築の類型を考えてみる事にしました。
該当記事では、構築・ポケモンの類型を「瞬発力と持久力」という2軸で考えていましたが、その記事を発表した当初「最高速度という考え方を取り入れたらどうか?」というコメントを頂いたので、今回は「瞬発力・持久力・最高速度」という3軸で考えてみる事にします。
辞書を引くと、「瞬発力」とは「瞬間的に跳ね返す、ばねのような力」、「持久力」とは「長く持ちこたえる力」、「最高速度」とは「能力を最高に発揮した場合の限界の速度」とあります。
これらの事から、瞬発力・持久力・最高速度という概念を対戦に当てはめてみると、
(A)瞬発力が高いタイプの構築・ポケモン
(B)持久力が高いタイプの構築・ポケモン
(C)最高速度が高いタイプの構築・ポケモン
という3類型が想定されます。
(A)のタイプは、強さを発揮したり、アドバンテージを獲得したりするまでのターン数が短いタイプ、と考える事ができます。構築でいうと対面構築、ポケモンでいうとゲッコウガや(6世代の)ガルーラなどが該当するでしょうか。
(B)のタイプはこれと逆に、アドバンテージを獲得するまでには時間がかかるものの、戦線維持能力が高く、複数回サイクルを回しても崩れないタイプ、と言えます。構築で言うと受けループみたいなタイプですね。
(C)はこれらとは少し異質で、展開を決めた時に獲得出来るアドバンテージの量が多いタイプ、と定義できます。バトンパのような構築が該当するでしょうか。
で、なんでこんな事を考えたのかというと、「ポケモンの強さを評価したり、感覚を言語化したりする場合に、端的に表現出来る」という事に気付いたからです。
どういう事かというと、リンクした記事では瞬発力・持久力、という概念を構築の分類指標として考えていたのですが、これを単体のポケモンにも応用出来ると気付いた、という事です。
例えば、個人的にマンダの型の中で両刀型の評価が高いのですが、その理由を「瞬発力が高いから」と一言で言えてしまうのです。
一般的な表現では「初速からガブリアスやメガルカリオといった厄介なポケモンより速く動け、高速・高火力・広範囲に技を撃ち分けて相手を上から倒せるから」と言葉を尽くして説明するであろう事を考えると、「端的に表現出来る」という事もご理解いただけるかと思います。
さらに、ポケモンの強さを評価する基準としても使えます。ゲッコウガは瞬発力が高いものの持久力が低い、ラッキーは瞬発力が無いものの持久力が極めて高い、といったような感じです。
同一のポケモンにおいても、違う型を比較検討する時にも、積み技を駆使する型は最高速度を重視した型、フルアタ型は瞬発力を重視した型、という風に比較する事が出来ます。
この様に、ポケモンの強さや型について検討する時、簡潔な表現で評価基準を設定出来るようになるので、考察の速度を上げられるかもしれない、と考えております。
ポケモン対戦における今後の目標
【ポケモンSM】炎Zヒードランの調整案
今回は、前回書いた構築記事(下記リンク参照) のうち、炎Zヒードランの配分を練り直してみました。
☆配分案
性格:控えめ
実数値:181-x-127-200-128-114
努力値:H116 B4 C252 D12 S132
技:大文字/ラスターカノン/岩石封じ/挑発
調整:
・Z文字+文字でH227-D151クレセリアを高乱数で落とせるようにC特化
・S:S113クレセリア抜き
・余りH、端数をBDに振り分けてダウンロード対策
クレセリア等の高耐久ポケモンを崩せる型。元々、このヒ―ドランは「残飯や眼鏡といった既存の持ち物を使わずに高耐久ポケモンを崩せる型」というコンセプトで考えたものです。
例えば、クレセリア対面では挑発から入ることで、クレセの補助技を封じつつ、文字→クレセの攻撃→Z文字、という流れでクレセリアを突破することが出来ます。114、というSラインもクレセリアを意識したものとなっています。構築記事に掲載されているクレセリアのSラインがおおよそ113以下であったので、その上を取れるようにすることで、大体のクレセリア対面で先手を取れるようにした、というわけです。
メインウェポンとして威力の高いオーバーヒートではなく、大文字を採用しているのは、クレセに挑発を入れた後、文字をある程度安定択にするためです。オーバーヒートは使った後、Cが2段階下がってしまうので、クレセを崩すにはZオバヒ→オバヒ、と動く必要があります。この時、Zオバヒを撃つタイミングで挑発を嫌ったクレセが逃げる可能性があるため、後続に引かれてZ技を透かされるリスクがあります。特にまずいのがこのタイミングでミミッキュに交代されることで、Z技をノーダメージで受け流されてしまうリスクがあります。
一方、大文字であれば、クレセに挑発した後、文字→Z文字、という動きでもクレセを処理できるので、「逃げるかどうかを見極めてZ技を打ち込む」という読みを通す必要がありません。そのため、挑発した後、クレセ側の出方を伺いつつ、逃げた場合はZクリスタルを温存できる、というわけです。
また、面倒なガルド対面でも、キングシールドを貫通してZ文字を撃ち込みつつ、Z文字→文字でガルドを倒すことができるようになります。
更に、このドランには封じ+ラスカノのセットを組み込んでおり、これによって「ミミッキュを対面から処理する」という事が可能になります。どういう事かというと、封じによってミミッキュの皮をはがしつつS関係を逆転させる事ができ、なおかつラスカノでミミッキュが確1となるので、本来上からドランを崩せるミミッキュを返り討ちに出来る、という訳です。以下、ミミッキュ対面をシミュレートしてみます。
vs襷ミミッキュ
剣舞シャドクロ+影打ちはちゃんと耐えるので、剣舞→封じ→ラスカノ→シャドクロ→影打ち→ラスカノ、という流れで突破出来ます。
vsゴーストZミミッキュ
剣舞から入ってきた場合、封じでS関係を逆転出来るので、突っ張ってきた場合剣舞→封じ→ラスカノ、という流れで処理出来ます。
vsフェアリーZミミッキュ
呪いから入られた場合でも、呪い→封じ→ラスカノ、というルートで突破出来るので、突っ張ってきた場合呪いダメージ2回分だけでZ持ちを処理出来てしまいます。
それを嫌って引いた場合でも、皮が残っていないミミッキュは上から叩けば落とせるので、ミミッキュの行動保証を崩せます。
とこのように、ミミッキュ対面で封じから入るのが安定する事がわかります。
以上の文章をまとめると、このドランは眼鏡や残飯に頼る事なくドランの崩し性能を確保しつつ、ミミッキュへの対面性能も組み込んだ型、と言えるでしょう。
このドランの裏には、クレセリアやミミッキュを崩した後の締めが出来る高速エースを添えておきたいところです。
何かありましたらコメント欄、もしくはTwitter @mokugyo327 まで。
【S2使用構築】岩石封じヒードラン入りマンダナットスタン
本構築を考え始めた当初は、「積み構築とサイクル構築のハイブリッド」というコンセプトで組んでおり、並びもこれとは少し異なっていました。当初はね......
特性:威嚇→スカイスキン
性格:無邪気
実数値:170-189-150-149-99-189
技:捨て身タックル/流星群/地震/大文字
調整:
・A-C:捨て身+文字でHBエアームドが確定
・A:捨て身タックルでB4振りメガルカリオが高乱数1発(急所込みで82.42%)
・C:大文字でH振りナットレイを確定
・ミラー意識で最速
本構築不動のエースストライカー。といっても実は今回マンダが構築のスタートではなく、あるポケモンと並びを作れるメガ枠、というのが当初の採用理由でした。
このポケモンの技構成を考えるにあたり、後述するメンバーを決めていく中でガブリアスの迅速な処理ルートが欲しいと感じたため、流星群の採用を決定。その状態でも積んだ後のルカリオをマンダで処理する必要があったことと、リザードンにマンダ対面で行動させたくなかったことから、メインウェポンを捨て身タックルとし、ASベースでの採用が決定しました。特にリザYを上から安定して処理出来る点は重要なポイントでしょう。
同時に、流星群を採用した以上はミラーで積極的に撃ちたかったので、最速を確保しました。
ちなみにこのマンダ、Cを1削ってAに回すと、B4振りメガルカリオに対する捨て身の乱数が1つずれます。私自身は、HP満タンのルカリオとこのマンダが対面することはなかろう、ということで記事の配分のままとしていましたが、ナットレイ確殺を諦めるならばそちらの配分に変更する案も考えられます。
以上のように、わりと雑な理由で採用されたポケモンでしたが、使用感は申し分なく、「エース」と呼ぶにふさわしい大車輪の活躍を見せてくれました。特に流星群の刺さりが良く、こちらの想像以上に警戒されていなかったように感じます。
総じて非常に高性能なポケモンでしたが、捨て身や流星といった技の性質上消耗が激しいので、受け出しや技選択には注意を払う必要があります。特に流星を撃つタイミングの見極めが重要だと感じました。
ナットレイ@食べ残し
特性:鉄の棘
性格:生意気
実数値:181-114-158-x-178-22
努力値:H252 B52 D204
技:ジャイロボール/宿り木の種/守る/ステルスロック
調整:
・H-B:A156ミミッキュのA+2Zシャドークローを高乱数耐え(急所込みで82.03%)
・H-D:C147ゲッコウガの珠一致めざ炎を最高乱数切り耐え
・最遅
本構築の潤滑油的存在、マンダが剣ならナットは盾、といった感じです。ゲッコウガとカプ・テテフとマンムーに受け出しが出来てステロを覚えるポケモンとして採用しました。
配分は、役割対象が特殊に偏重している事から、生意気HDベースとしてみました。この配分でも意地マンムーの地震を2耐えしつつ遂行出来る位の耐久力があります。
使用感も申し分なく、サイクルのクッションとして優秀でした。
ただし、何度かタネマシンガンが欲しい場面もあった事と、思ったよりステロを撒く機会が少なかった事から、ステロを抜いて種ガンを採用してもいいかもしれない、と感じています。
特性:砂起こし
性格:腕白
実数値:215-133-187-x-92-67
努力値:H252 A4 B252
いわゆる物理受け枠。ガルーラ・ミミッキュ・メタグロスなどに受け出せる枠として採用しました。
配分は少しでも物理耐久を確保する為のHB特化です。ステロはスカイスキンの倍率低下によって下がったマンダの火力を補う為の技であり、岩石封じはウルガモスの起点を回避する為の技です。
しかし、カバ対面で悠長に舞ってくれるウルガモスはほとんどいなかった上、ヒードランのおかげでウルガモスはある程度ケア出来るようになったので、岩石封じよりも氷の牙を採用したほうがいいかもしれません。
霊獣ボルトロス@拘りスカーフ
特性:蓄電
性格:控えめ
実数値:159-x-90-210-119-136
努力値:H36 C208 D148 S116
技:10万ボルト/ボルトチェンジ/めざめるパワー氷/ヘドロ爆弾
調整:
・H-D:C155ゲッコウガのタイプ一致冷凍ビームを急所以外耐え
・S:スカーフ込みで最速メガゲンガー+3
・余りC
(理想値前提、実際の個体と異なります)
元々はチョッキを着せていた枠、この並びを考えた当初多かったカプ・コケコを受けるポケモンとして採用しました。
スカーフに変更したのは、相手の霊獣ボルトロスや、ゲッコウガといった厄介なポケモンを上から叩けるようにしたかったからです。ボルチェンはゲッコウガへの、ヘドロ爆弾はカプ・コケコへの、めざ氷はスカーフ以外のガブリアスや霊獣ボルトロスへの遂行技です。
また、CSに振り切る事で有利不利関係が動く相手がフェローチェ位しか居ない、と考えたので、CSぶっぱではなく、最低限のSを確保しつつ耐久に振ってみました。これにより、スカーフテテフなどの下からボルチェンを撃ちたい相手には下から動けて、ゲッコウガなどの上から叩きたいポケモンには先手を取れる、という非常に都合のいいポケモンとなる、と考えていました。
しかし、実戦では電気を一貫させてくれる事などそうそうなかったので、 拘り故の使い辛さばかりが目立つ事となってしまいました。検討するならまずはここから考え直したいです。
カプ・レヒレ@カプZ
特性:ミストメイカー
性格:図太い
実数値:175-x-183-115-150-108
努力値:H236 B252 S20
技:塩水/ムーンフォース/自然の怒り/挑発
調整:
・H:16n-1で最大
・B特化
・S:4振りクレセリア抜き抜き
当初から最後まで戦い抜いてくれたZ枠、クレセリアやポリゴン2といった高耐久ポケモンを崩すことが出来、なおかつメガギャラドスのストッパーになれるポケモンとして採用しました。
崩し性能を持ったレヒレの型としては瞑想型と怒り挑発型が考えられましたが、今回は崩しの速度を重視して後者を選択。Zクリスタルを持たせているのも、高耐久ポケモンだけでなく、レヒレが呼ぶグロスやナットを迅速に削りマンダの圏内に入れるためです。
塩水はガーディアン・デ・アローラと相性の良い水技、ステロ+怒りやガーディアン・デ・アローラを決めた後の相手には、波乗り以上の打点が出せます。
使用感も上々で、マンダナットレヒレ、という形がある種の基本選出となった程でした。何より、ミストフィールドのおかげで、この手のポケモンにありがちな「状態異常で機能停止」という問題をある程度無視できるのがありがたかったです。
ヒ―ドラン@炎Z
特性:貰い火
性格:控えめ
実数値:183-x-127-200-130-109
努力値:H132 B4 C252 D28 S92
技:大文字/ラスターカノン/岩石封じ/挑発
調整:
・H:8n-1
・H-D:C222メガゲンガーの気合玉を最高乱数切り耐え
・C特化
・S:岩石封じ1回で最速ミミッキュ抜き
(理想値前提、実際の個体とは異なります)
一番最後に入ってきたポケモン、元々は炎Zウルガモスだった枠であり、そこから変更したポケモンです。実は、本来そのウルガモスこそが本構築の出発点であり、ウルガマンダを軸としていたからこそ、当初「積み構築とサイクルパのハイブリッド」というコンセプトを立てていたわけです。
ではなぜ出発点だったウルガモスを抜いてまでヒードランを採用したのかというと、ウルガモスのままでは相手のウルガモスに舞われた瞬間ほぼ負け確定、というレベルでガモスが重かったからです。なおかつ、当初ウルガモスを採用していたものの、岩技を持っていそうなポケモンと選出段階で当たることが多く、ガモスの選出率が低かった、という事情もガモスの解雇を後押ししました。
ガモスの解雇を決めたのち、ドランを選んだ理由としては、ある程度の崩し性能が期待できることと、型次第ですが相手のリザやガモスをケアできること、以上の2点が挙げられます。
型に話を移すと、このドランは炎Z持ちであり、なおかつAに下降補正をかけているのに岩石封じを採用している、という変な型となっています。これについては説明が必要でしょう。
持ち物が炎Zである理由は、単純にパーティとの兼ね合いによるものです。
ドランの型というと、大きく分けて残飯型と眼鏡型の2つがあります。このうち残飯型は残飯をナットレイに取られていて使用不可能であり、一方の眼鏡型も、6世代の頃からこだわり故の使いにくさを感じていました。そこで、技を撃ち分けつつ、状態異常に頼ることなく崩し性能を持てるZクリスタルを持たせてみよう、と考え採用に至りました。タイプが炎である理由は単純な火力の高さと、霊獣ボルトロス対面で起点回避できるようにしたかったこと、という2点です。
続いて岩石封じの採用理由ですが、これは今期の中盤辺りから考えていたある発想を実行に移したものです。その発想とは、「中速の鋼ポケモンに岩石封じを仕込むことで、ミミッキュの起点を回避しつつアドバンテージを取る」というものです。
電磁波などのS操作では、ミミッキュの皮をはがせないのに対し、封じであれば、ミミッキュの皮はがしとS操作による縛り関係の逆転という2つの行動を一手でこなせる、というわけです。
なお他の技についても採用理由を述べておくと、文字は連打できる一致技の中で一番高火力だから、ラスカノは皮をはがしたミミッキュを縛れるメインウェポンだから、挑発は状態異常や眼鏡に頼ることなくポリ2やクレセを崩すために必要だから、という理由で採用しました。
では、そんなヒードランの使用感はというと、可もなく不可もなく、といった感じでした。肝心のミミッキュは意外とこのパーティに出てきてくれなかったので、そういった意味で封じの方はやや失敗だったかもしれません。
一方の炎Zの突破力はなかなかのもので、特に貰い火補正が乗ったZ大文字の破壊力はかなりものでした。半減でもH振りスイクンをマンダの捨て身圏内に押し込めるくらいの火力が出ます。
何より、ガモスをドランに変えてから、いわゆる「メガ+Z+一般枠」というパターンを増やして選出の柔軟性を上げることが出来、実際レートも伸びたので、そういう意味では良かったと思います。
もっとも、ガモスを抜いてドランに変更したことで、「霊獣ボルトが非常に重い」という別の弊害が発生したので、ガモスとドラン、どちらが良かったのか今となっては何とも言えません。
〔選出パターン〕
☆+or+or
基本的な選出パターン。
この構築における各ポケモンの役割をざっくり分けると、
エース:マンダ
クッション:ナット、カバ、(レヒレ)
崩し役:レヒレ、ドラン
となります。霊獣ボルトロスは補完枠なので、上5体だけではきつい時(ゲンガーや霊獣ボルトロスが見えている場合など)しか出しません。
この構築の場合、「クッション枠を中継点にしつつ、Z枠で崩してエースで締める」という流れが主な動きとなります。
☆++
変則的な選出パターンその1。カバルドンの役割対象(バシャ、ミミッキュ、バンギなど)とナットレイの役割対象(テテフ、マンムーなど)が相手PTの大半を占める場合に、カバとナットでマンダを後押しする選出です。
☆++
変則的な選出パターンその2。カバナットレヒレで受け回して詰めて行けそうな相手、具体的にはサザングロスやテテフバシャガルなどの並びに対して出します。
☆+2
変則的な選出パターンその3。ゲッコウガや霊獣ボルトロスなどの重い相手がいる場合に、霊獣ボルトロスを後押しして通しに行く選出です。
ラスト1体は霊獣ボルトロスの穴を埋められるポケモンを選択して出します。
〔苦手なポケモン・並び〕
☆霊獣ボルトロス
Z技の追加により、無慈悲さに拍車がかかったポケモンその1。このパーティも霊獣ボルトに積まれるとほとんどケア出来ません。
ヒードランのZ大文字を悪巧みに合わせるか、削ってマンダの圏内に入れるしかありません。
しかし前者の方法は一発芸な上に素直に殴られる可能性も充分ある、後者のルートもボルトの裏に高耐久ポケモンが居る場合そちらに引かれてサイクル負け必至、といずれの処理方法もやや無理があります。
Z技の追加により、無慈悲さに拍車がかかったポケモンその2。この構築では誰も受けられません。遭遇してしまった場合、ナット・レヒレ・ボルトの3枚のうちいずれか1体以上を選出し、ヒイヒイ言いながら誤魔化していました。
単純に炎+電気+氷の技範囲が受けにくいです。遭遇した場合は、ボルトロスで電気技をカットするよりも、ナットドランやナットレヒレのサイクルで削り倒すという姿勢で臨んだほうが誤魔化しやすかったです。
本来カプ・レヒレがフェローチェの処理を担う枠ですが、毒づきを持っている場合レヒレをフェローチェに突破され、サイクル負けしやすい印象です。
☆バンドリ
砂下で地面Zドリュウズに舞われた場合、ほとんどケア出来ません。その為、バンドリとマッチングした際は、
(2)上手く砂ターンを枯らしつつバンギを処理し、ドリュウズをマンダの地震で倒す
という2ルートの内いずれかを目指して立ち回る必要があります。
しかし、実際にはそうそう上手くいかないので、ドリュウズ本人やその取り巻きに崩され、崩壊させられていました。しかも前述した霊獣ボルトロスと同居している場合すらあり、そういう場合はほぼ勝てません。
こんな所でしょうか。この中でも、霊獣ボルトロスとバンドリに対する勝率が特に悪いです。他はそこそこ。
〔結果〕
最高/最終レート1901
最高順位2302位/最終順位2328位
〔雑感〕
今期はようやく曲がりなりにも1800芸人を卒業できました。運にも大いに助けられたとはいえ、この結果そのものには非常に満足しています。構築の完成度と最終日の根性両方の面から考えて2000には届く気がしなかったので、勿体無いという感覚はあまりありません。それは来期以降の宿題、ということにします。
一方、構築の出来栄えという面では大いに不満の残る仕上がりとなってしまいました。
本構築に対する不満を挙げると、
(A)当初のコンセプトから外れている事
(B)重大な欠陥がある事
(C)安定感が無く、使っていてストレスフルである事
という3点が挙げられます。
(A)については面子を見れば一目瞭然です。本記事の冒頭で積み構築とサイクル構築のハイブリッドが云々と偉そうに宣っておきながら、最終的には積み技が皆無となり、いつもの前のめりなサイクル構築に行き着いてしまいました。この体たらくははっきり言って看板倒れもいいところであり、大いに反省するべき点でしょう。
(B)の欠陥というのは、先述したゲッコウガや霊獣ボルトロスに関する問題の他にも、「龍舞したマンダを受けつつ処理出来るポケモンがいない」という欠陥の事も指しています。
この構築、本来マンダ受けの役目を果たすべきカバルドンがマンダに役割を持てない型であるため、龍舞マンダと当たってしまった場合、「封じ連打で相手のマンダのSを管理しつつ倒してもらい、こちらのマンダを死に出しして流星で倒す」という後手後手の立ち回りが強要されます。この為、例えば身代わり龍舞マンダに対する回答がほとんど存在しない状態であり、これも欠陥と言わざるを得ません。
(C)の不満は、構築の面子と技構成に起因するものです。このパーティ、不意の特殊技で即死するカバルドンや、不意の炎技で焼却処分されるナットレイなどのやや繊細なポケモンが多く、ただサイクルを回すだけでも神経がすり減りました。しかも流星群やら宿り木の種やらと命中不安技が多い為、使っていて非常に心臓に悪い構築でした。
......とここまではほとんど自己批判のような話をして来ましたが、本構築について、肯定的に評価できる点もありました。具体的には
(α)強い選出パターンを複数作れた事
(β)構築全体で見た「崩し」のしやすさ
という2点です。
(α)について述べると、本構築はシングルにて強い並び、とされる「メガ+Z+行動保証」というセットで幅広い相手に対応出来ていたと感じます。そのおかげで、多くの対戦において、パワーのある並びを選出する事が出来ていたと思います。
続いて(β)、これも良かった点でしょう。構築に「相手の想定を覆してアドを取れる型や技」を散りばめる事が出来た点は良かったと考えています。特に今期はなぜかマンダの流星群という技が舐められており、「相手の想定を覆してアドを取る技」として機能した事が、最終盤で波に乗れた理由の1つであろうと考えています。実際、この技のおかげで何度も勝利を手繰り寄せる事が出来ました。
最後に、シーズン2にて私の放送を見てくださった皆様、本構築の原型を試運転して下さったブライトンさん、そして私と対戦して下さった皆様、ありがとうございました。来期以降も潜っていくつもりですので、次はシーズン3でお会いしましょう。
〔Special Thanks〕(敬称略)
・ブライトン
・割りばし
・クラウディア
【ポケモンSM】テテフ意識のメガボーマンダ
私はマンダ軸を使っていた時、常々「カプ・テテフが鬱陶しい」という事を感じていました。そこで、「テテフに対面から勝てるボーマンダ」というコンセプトで考えてみたものの、不安定なものしか出来上がりませんでした。
今回は、そのコンセプトのもと、考えていた事を供養として記事にします。
〔型紹介〕
性格:意地っ張り
実数値:181-182-150-x-142-162
努力値:H84 A4 D252 S172
確定技:アイアンテール/恩返し
選択技:地震/龍舞/羽休め
調整:
・A:アイアンテールでCSテテフを確定
・C200テテフのムンフォを最高乱数切り耐え
・最速テテフ抜き
前書きでも書いたように、このメガマンダのコンセプトは「カプ・テテフに対面から勝てるメガマンダ」というものです。このコンセプトを実現するために、このマンダに要求したことは、
(1)恩返し(もしくは最大打点)でCSテテフを確1にできるA
(2)メガ後に最速テテフ抜き
(3)C200テテフのムーンフォース耐え
という3つの条件です。
手始めに(1)のAラインを計算してみたところ、アイアンテールを採用した場合、CSテテフを確定1発にできるA実数値は182である、と判明、第一条件としてこのAラインを確定としました。
なお、ほかに候補となった技についても触れておくと、恩返しで確定1発にしようとするとA200必要ですが努力値が足りませんし、捨て身タックルはスカーフテテフのムンフォ+捨て身の反動や、襷テテフの反撃で死んでしまう恐れがあるため、テテフ対面での安定択とはなりません。
(2)のSラインを実数値で表すと162であり、これを実現するためにはS補正を掛けても60振り、S補正を掛けない場合172振り、という努力値が必要となります。
(3)の耐久を実現できるHDのラインはH181-D142、というラインであり、これを達成するためには、Dに補正を掛けない場合、Hに84、Dに252、という努力値を割かねばなりません。
ちなみに、先ほど「恩返しでは努力値が足りない」という趣旨の事を言いましたが、これはこの耐久ラインと関係することです。恩返しでCSテテフを確定1発にするためにはA200が必要ですが、これを達成するためにはAに補正を掛けて132努力値を振る必要があります。これと、S確保に必要な努力値172、耐久ラインに必要な努力値336を合計すると640もの努力値が必要となるので、恩返しだけではテテフ対面で勝てるボーマンダを作るには不十分、という結論に至るわけです。
話を調整に戻すと、以上(1)~(3)の条件を満たせる配分・及び技構成が、〔型紹介〕の項で挙げた型、という事になります。これらの調整を施すことで、テテフ対面でアイアンテールが安定行動になるのではないか、と考えました。以下、シミュレーションしてみます。
vsスカーフテテフ
通常のメガマンダはスカーフムンフォを耐えないので、Sラインがわからない場合テテフから引かねばなりませんでした。
しかしこのマンダはムーンフォースを耐えるので、ムンフォ→アイアンテール、という流れで処理できます。
vsエスパーZテテフ
テテフ側がCS振りの場合、上からアイアンテールを撃ち、倒すことが出来ます。耐久に振っていた場合でも、マンダ対面でZサイキネから入ってくることは交代読み以外では考えにくいので、テテフの反撃を耐えて恩返しなどでとどめを刺せます。
ただ、マンダテテフ対面でZサイキネを撃たれた場合、マンダが吹っ飛びます。これが、このマンダを没にした理由の一つです。
vs眼鏡テテフ
テテフ側がCS振りだった場合上からアイアンテールで倒せますが、HB振りだった場合アイアンテールを耐えられ、返しの眼鏡ムンフォで落ちます。
vsチョッキテテフ
メガ後に最速テテフを抜いており、かつムンフォを耐えるので、上からアイアンテールで倒せます。
と以上のように、耐久振りテテフにZサイキネや眼鏡ムンフォを当てられた場合以外は、(アイアンテールを当てれば)テテフ対面で打ち勝てることがわかります。
ではなぜ没にしたのか、というと、
(A)アイアンテール自体が不安定であること
(B)一部勝てないテテフがいること
という2点が理由です。
(A)は単純な話で、アイアンテールの命中率が75しかないため、テテフ対面で最大でも75%の勝率しか確保できません。これは弱い。
(B)の勝てないテテフとは、耐久に振っていて、かつ火力アップアイテムを持ったテテフ、具体的にはHCエスパーZ型やHB眼鏡型などです。これらのテテフをワンキルすることはできず(特に後者)、しかも返しの反撃でマンダが落ちてしまいます。
以上の理由から、汎用性を犠牲にしたにもかかわらず、仮想的相手に100%の勝率を確保できないのは弱い、という事で没にしました。要はいつぞやのウルガモスと似たような顛末となったわけです。
まともな新型のアイデアに巡り合えるのはいつになることやら......
【ポケモンSM】カシブメタグロスの調整案
メタグロス@カシブの実
特性:クリアボディ
性格:意地っ張り
実数値:158-180-153-x-142-109
努力値:H20 A68 B20 D252 S148
選択技:冷凍パンチ/思念の頭突き/地震
調整:
・A156ミミッキュのA+2シャドクロ+影打ちをカシブ込み耐え、Zシャドクロ+影打ちもカシブ込みで耐える
・岩石封じで最速ミミッキュ抜き
・C200カプ・テテフの10万+A156ミミッキュのZシャドクロをカシブ込み耐え
〔説明〕
このメタグロスを考え始めた当初のコンセプトは、「ミミッキュに対面から確実に勝てるメタグロス」というものでした。実は、通常のASメガメタグロスの場合、ミミッキュのZシャドクロで中乱数となってしまう為、確実に勝てる、とは言い難いのです。
そこで、「カシブでZ技をいなしつつ、返しの鋼技でミミッキュを仕留められるようにしてみよう」と考えました。
岩石封じを採用したのは、ミミッキュとの対面で封じから入ることにより、皮剥がしとS操作を一手でこなす為です。
この技を採用しつつカシブを持つ事で、ほとんどのミミッキュに対面から勝てます。以下、シミュレーションしてみます。
vsゴーストZミミッキュ
仮想敵その1、Zシャドクロをカシブで半減しつつ、その後封じ→アイへで突破出来ます。
vs襷ミミッキュ
剣舞から入って来た場合は、剣舞→封じ→アイへ→シャドクロ→カシブで耐えてバレット、という流れで処理出来ます。
シャドクロから入られた場合でも、カシブ込みシャドクロ+シャドクロを耐えるので、シャドクロ→封じ→アイへ→襷で耐えてシャドクロ→バレット、という流れで処理出来ます。
vs呪いミミッキュ
初手で呪いから入って来た場合、呪い→封じ→アイへ、という流れで処理出来、被害を最小限に食い止めることが出来ます。
vs電磁波ミミッキュ
電磁波から入られた場合封じを入れても先手を取れませんが、カシブ込みシャドクロ+シャドクロやカシブ込みシャドクロ+影打ち耐えるおかげで、電磁波→封じ→シャドクロ→アイへ→バレット、という流れで対応可能です。
とこのように、麻痺や急所といった運要素が無ければ、大体のミミッキュに対面から勝てる事がわかります。
ちなみにDに努力値を多く割いていますが、これは余った努力値を有効活用して、カプ・テテフにも勝てるようにしたい、と思ったからです。
実のところ、前述したような対ミミッキュ性能を確保するだけならば A68 B20 S148、という配分のみで十分であり、この時点で努力値が274も余ってしまいます。そこで、ミミッキュの他に仮想敵を追加しようと考えました。
試しにDに極振りしてみたところ、テテフのゴーストZや、カシブ込みシャドボ+シャドボを耐えて役割破壊を阻止できる事が判明したので、その案を記事として採用してみました。
......とここまでもっともらしい事を考えてみたものの、どう見ても汎用性が低すぎるので育てません。
ただ、岩石封じでミミッキュの皮剥がしと起点回避を同時に行う戦術自体は面白いかもしれません。