選出誘導について感じた事
「選出誘導」という戦術がある。これについて、相手の選出を文字通り「誘導」する事で、選出やプレイングでアドバンテージを取る戦術、と理解している。これについては、最近、選出誘導を駆使する事で、相手が取りそうな選択肢を全てケアする、という理想実現に近づけるかもしれないと考え始めている。
実のところ、かつて私は選出誘導に対して否定的であった。理由は、「〜〜出されてたらどうするつもりだったんだよ!」という言説がくだらないと感じている事と、誘導しても相手の気まぐれで簡単に覆されると感じている事、の2点である。
前者の話は、前回の切る切らないという話と同じような話である。選出誘導に頼らず、相手の6体をこちらの3体でケアできるようにすれば、「〜〜出されてたらどうするんだよ!」などと言わずに済む。
このような体験からも、「Aが居るから相手のBは来ないだろう」というような、遠ざける方向の選出誘導は当てにならないと感じている。
一方で、呼ぶ方向の選出誘導は信用できるとも感じている。刺さっているように見えれば、自然と出したくなるから、と推測している。
それらを踏まえた上で、呼ぶ方向の選出誘導の利点を考えてみると、大きく分けて2つあるのではないか、と感じている。
1つ目は、誘ったポケモンを出落ちさせたり腐らせたりしてアドバンテージを取る、という事。
そして2つ目は、「こちらが想定するべき選択肢の数」を削ぎ落せる事である。
前者は単純な話で、相手のポケモンを誘って突破出来れば、不意打ちに近い形でアドバンテージを稼ぐ事ができる。相手の思考の外から攻めているので、読まれにくくイージーウィンに繋げやすい。
後者を一言で言うと、「選出を予測しやすくなる」という事である。
相手6体から、3体が選出されるパターンは、初手を考えると全部で60通りある。ここから、相手の1体を誘導してしまえば30通りに、2体誘導出来れば12通り、うまく3体を誘導出来ればなんと3通りまで削ぎ落せてしまう。最大で95%も削減出来てしまうのである。
これが切る切らない、という話とどう関係するのか。それは、「ケア出来る範囲」という点で関係してくる。
以前、「なるべく考えうる全部の可能性をケアしたい」という話をした時、全てケアするのは非常に困難、という指摘を受けた。
ならば、ケア出来る範囲まで、相手の思考から選択肢を削ぎ落としてしまえばいいのではないか、という仮説にたどり着いたのである。今期はこの仮説を実験するべく、選出誘導をコンセプトに構築を組んでみたい。